
子猫物語 現在篇
金沢への道中、全く鳴かなかった。
電車の中でも鳴かないので、ゲージをみんな覗き込んできた。
ピンクのゲージを持ったおじさんは、不審者だったと思う。
金沢に着き、祖母の家に行く前に実家に寄った。
ゲージを開けると、すぐに隙間に逃げた。
しばらくすると、出てきてご飯を食べた。
猫砂を用意してくれていたので、チャトランは行儀よく、用を済ませた。
その姿が愛らしかったのか、乗り気ではなかった父親が、
「この家で飼ってもいい」と、言い出した。
数ヶ月には、チャトランに首輪をつけて、近所を散歩している母がいた。
15年経った今でも、チャトランは両親と悠々自適に過ごしている。
強制的に金沢へ連れてこられた、
チャトランが幸せかどうかはわからないが、
わがままを許される環境に、
満足しているのではないだろうか。
チャトランも、人間の歳に考えると
おじさん。
私の望みは、長生きしてくれることと
CMに出演すること。
画像を見る限り、道は険しい。
いいなと思ったら応援しよう!
