セッション定番曲その141:My Little Suede Shoes by Charlie Parker
ジャズのセッション定番曲。一度聴いたら忘れられない陽気なメロディとリズムで人気があります。こういう曲から入ると「ジャズって何か暗いと思ってたけど、明るい曲もあるんだね」と思いますね。ニコニコしながら演奏したいですね。
(歌詞は最下段に掲載)
和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。
ポイント1:Charlie Parker
1951年の演奏。ラテンリズムに興味を持ったバードが既存曲(Jeepers Creepers)の進行をベースに作った陽気な曲。パーカッションが賑やかに鳴っています。
現在でもジャズセッションで頻繁にリクエストされます。4ビート(スイング)の曲をラテンリズムにアレンジして演奏するのとは違って、最初からイメージを共有しやすいんでしょうね。
こんな短い演奏でもCharlie Parker流のフレーズが満載ですね。ソロまで含めて耳で覚えてしまいたいですね。
「ジャズって小難しいんでしょ?」「みんな眉間に皺を寄せて演奏しているんでしょ?」「静かに聴いていないと怒られるんでしょ?」という誤解が世間には蔓延していますが、そんな音楽なら昔あんなに流行る訳ない。楽しい曲、理屈抜きに楽しめる演奏も沢山あります。
ポイント2:アフロ・キューバン・ジャズについて
そもそも言葉が分かりにくいですよね。「アフロ(アフリカ)」なの?「キューバ」なの?「ラテンリズム」と言ったりもしますね。
ジャズ演奏でよく使われる言葉ですが、そもそも「ラテン音楽」なんて「アジア音楽」と言うぐらい曖昧な言葉なので、専門の人から見るとナンチャッテな感じかと思います。
元々は複数のパーカッションがそれぞれ担っている細かいリズムパートをドラムセットで(なんとか)表現しようというもの。
大坂昌彦さんの解説動画
ポイント3:Sonny Stitt
Charlie Parkerの後継者とも言われたSonny Stittの1966年の演奏。リラックスした感じがいいですね。速いソロもメロディアス。
ポイント4:ボーカル入りもあります
Imogen Ryall
分かりやすいメロディなので色々な人がぞれぞれ独自の歌詞を付けて歌っています。ここでは有名なブランドを列記して「でもそういうのじゃなくて、シンプルなスウェードの靴がいいの」と歌っています(下記は最下段に掲載)。
Ljudmila Frelih
ポイント5:Esperanza Spalding, Fred Hersch
現代的な感覚で大胆にアレンジしてEsperanza Spaldingがスキャット〜歌ったもの。
ポイント6:様々な演奏を聴いてみよう
Grant Green、1963年録音
J.J. Johnson、1965年の演奏。複数の管楽器が絡み合うユーモラスなアレンジで演奏されています。
Chet Baker、1954年ライブ録音。速いテンポで演奏されています。
Toots Thielemans、1976年ライブ録音
Niels-Henning Ørsted Pedersenのベースがカッコいいですね。
ポイント7:Jeepers Creepers (元ネタらしい)
Louis Armstrong
◼️歌詞の例
I'll never knew what happiness could be
Till I met you that was a mystery
It gave all expected in my blues
When you bought me a pair of suede shoes
Never knew my life could be so sweet
My tiny toes Would never look so neat
My spike use no times no crazy use
How hell I love my pair of suede shoes
Don't want anything by Gucci or Fiorucci
or some Gherardini too
No more Manolo or Moschino, Chanel or Valentino
Just a simple pair of suede shoes
And now I'm walking on highest cloud
Such indulgence should be allowed
It's not big deal it is no breaking news
I just love my pair of low suede shoes