セッション定番曲その166:Superstar by The Carpenters, Leon Russell, Bonnie Bramlett
歌ものセッションの定番曲。誰でも聴いたことのある印象的なメロディ。どんな内容なのでしょうか?
(歌詞は最下段に掲載)
和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。
ポイント1:The Carpenters
1971年の大ヒット曲。豪華なサウンドにのった、シルクのように滑らかな
Karen Carpenterの歌声。Carpentersは他のアーティストのカバーも多いのですが、彼女が歌うと魔法を掛けたように魅力的な曲になります。
ポイント2:Delaney & Bonnie & Friends
これが元ネタで、1969年に「Groupie」というタイトルで発表。作者のひとりであるBonnie Bramlettの夫婦デュオ。途中からソウルナンバー的に熱い歌唱。Eric Claptonを米国南部沼に引っ張り込んだのはこの2人です。曲はLeon RussellとBonnie Bramlettの共作。1970年代前半には傑作量産マシンだったLeon Russellでしたが、ある時期を境にいきなり失速してしまったのは不思議でした。
ポイント3:Joe Cocker, Rita Coolidge
1970年の熱いライブ録音。ここにも座長のLeon Russell親分が持ち込んだのだと思われます。クレジットされていませんが、この曲のアイディアを最初に出したのはRita Coolidgeだという話もあります。
ポイント4:歌詞のポイント
Long ago, and oh, so far away
I fell in love with you before the second show
Your guitar, it sounds so sweet and clear
But you're not really here, it's just the radio
「the second show」と言っているので、昔よくあった、短時間のステージを入れ替えなしで数回観られるパッケージショーのようなものだったのかもしれません。第二回目の登場を待たずに第一回目のステージを観ただけで、主人公は「スター」に恋してしまいます。
ただ今聴こえている彼のギターの音はラジオから流れているもの。
この対比が上手いですね。
Don't you remember, you told me you loved me baby?
You said you'd be coming back this way again, baby
Baby, baby, baby, baby, oh baby
I love you, I really do
「愛しているよ」と言ってくれたのに、必ず君のもとに帰るよと言っていたくせに、彼の気持ちは離れてしまっているようです。「I love you, I really do」こんなストレートな歌詞は珍しいですね。
Loneliness is a such a sad affair
And I can hardly wait to be with you again
What to say, to make you come again?
Come back to me again
And play your sad guitar
寂しくて、また会えるのを待ちきれない気持ちが引き続き歌われます。「傍に来て、あの悲しい音色のギターを聴かせてよ」と。
スーパースターにとっては短い戯れの恋、もしかして一晩だけの。でも抱かれてた側のファンは一生忘れない。スターはすぐに次の街へツアーで向かってしまう。そんな思いをした人は多いのでしょうね。ギタリストはモテますね。
原題の「Groupie」というのはただのファンからもう一歩踏み出して、スターやスター候補を追いかけて、ツアー先にも出没したり、セフレになったり、時には経済的支援やPRの手伝いをしたりして応援する人達です。そう
考えると、この歌の主人公はもっとおとなしい女性なので、スターに憧れる女性として「Superstar」というタイトルになったのは正解かもしれません。
ポイント5:様々な歌唱を聴いてみよう
Ruben Studdard、2003年録音
深みのあるソウルバラード。
Luther Vandross、1983年録音
甘い声を活かしたアレンジですね。
Marcus King、2020年スタジオライブ
ブルージーな歌唱、ギターもカッコいいです。
Sonic Youth、1994年録音
トリビュートっぽいんだけど、ノイズ成分たっぷりのSonic Youth印。
ボサノババージョン
レゲエバージョン
ポイント6:同じタイトルの曲が多過ぎ
普通の名詞なので、後発で同じタイトルの曲が沢山あります。けしからんですね。
Taylor Swift
Saliva
Cherish
Beatrich
Jamelia
Usher
◼️歌詞
Long ago, and oh, so far away
I fell in love with you before the second show
Your guitar, it sounds so sweet and clear
But you're not really here, it's just the radio
Don't you remember, you told me you loved me baby?
You said you'd be coming back this way again, baby
Baby, baby, baby, baby, oh baby
I love you, I really do
Loneliness is a such a sad affair
And I can hardly wait to be with you again
What to say, to make you come again? (Ooh, baby)
Come back to me again (Oo, baby)
And play your sad guitar
Don't you remember, you told me you loved me baby?
You said you'd be coming back this way again, baby
Baby, baby, baby, baby, oh baby
I love you, I really do
Don't you remember, you told me you loved me baby?
You said you'd be coming back this way again, baby
Baby, baby, baby, baby, oh baby
I love you, I really do