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読書ノート|『白鳥とコウモリ』東野圭吾

久しぶりに、「ザ」って感じのミステリーが読みたい!こんなときは東野圭吾だ!と思って『白鳥とコウモリ』を読んだ。最初の方に刑事が部下と事件の話をしながら部下と話すシーン。事件ものの始まりってこうじゃないとね!とわくわくしてから、気づいたら上巻から下巻に移動し、最後まで一気読みしてしまった。いい休日。

死体遺棄事件が起こり、捜査線上に浮かび上がった人物が過去に起こった殺人事件とも関係があったとわかる。読み進めて行くと、あれまだページ数残ってますけどこんなに展開早くて大丈夫なの?って思っちゃうぐらいあっさり事件が解決する、ように見える。
でも、弁護士や検察官が裁判の準備を進める中、被害者の娘と犯人の息子は、それぞれ自分の父親はそんな発言をする人だったっけと不審に思い、納得できずに独自に調査をする。そんなに勝手に行動しちゃって大丈夫??と思わなくもないけど、それよりもだんだん真実に近づいていくのがおもしろくてぐいぐい引き込まれた。

すごく小さな違和感から矛盾に気づいて、それをきっかけに少し新しい事実が判明して、を繰り返す。その情報からそんなことまでわかるのか!真実を知りたいという気持ちでここまで行動して手がかりを辿って行けるのがすごい。
確かにそう考えると矛盾しているかも、と何度も驚かされて、じゃあその嘘は何を隠していたの?と、迷路の中をゆっくりと進んでいるような感覚になる。

事件の真相に迫っていく過程と登場人物たちの人間模様が並行してどんどん展開していって、驚きとわくわくの連続。タイトルの『白鳥とコウモリ』は、意味がわかるととてもおしゃれかつ的確で素敵だと思った。

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