「祭り」でSOYMILを盛り上げたい
昨日は、高校の同級生であり、SOYMIL事業をサポートしてくださっているAyakaさんと壁打ち会をやっていました。まず、サービスのリブランディングを進めた一方で実績が付いてきておらず、今後の施策を考えようということで始めた壁打ち会でしたが、もっと大切なことに気付きました。
商品やサービスを販売するにあたって、「明確な課題を解決できること」を謳うことが商売の鉄則なのは自明です。例えば、水道水に嫌悪感を感じるから浄水器、早く目的地に着きたいから飛行機、日に焼けたくないから日焼け止めクリームとか。
この効果を最大限にする方法は、敵を作ることや劣等感を煽ることです。
例えば、「加齢臭が臭いあなたは〇〇だから、このマウスウォッシュ」、「今の給料で満足?今こそあなたの信用力を使ったマンション投資」「この教材を買わないと、子どもはFラン学校しか受からない」とか、誰もが何かしらの劣等感を持っているので、このようなマーケティングって自分ごととして捉えやすいんですよね。
SOYMILもやろうと思えばできます。「市販豆乳は農薬と添加物まみれ!今こそ自宅で作る!無農薬豆乳」「加齢の肌トラブルでお悩み?無添加豆乳でお肌つるつる」とか。情弱相手に儲けてるビジネスって客を人間ではなく数字としてしか見ていないし、そういった存在を知っているからこそ、こういうのって自分の美学に反してるんですよね。
SOYMIL事業や、今着手している新規事業の根底に流れるテーマは、sustainability(サステナビリティ)です。日本語にすると持続可能性を意味します。この言葉が一人歩きしているような感じがしていますが、私は、これを長い時間軸の中で、社会・文化・環境との繋がりを保ち続けられることと定義しています。市販で売られている北米産の大豆で製造された大豆ミートや豆乳は一見、畜産業よりも温室効果ガスの排出削減に貢献しているように思えますが、安さを求めて食品を輸入に頼る限り、輸送のために資源を費やし、為替変動リスクを抱えることになります。そして、農場を拡大するために森林を伐採するのであれば何かを破壊した上で成り立っているので、持続可能とは言えません。
この前、学生時代のバックパック旅行で知り合ったカナダ出身の友人とドイツ出身の友人と会い、欧州の原発やごみ焼却の話で盛り上がりました。「欧米」がsustainability(サステナビリティ)で先進的と言われているゆえんが分かった気がしました。その一方で、sustainability(サステナビリティ)は流行っているのを知っているけど敷居が高く、自分ごととして捉えにくいのが日本の現状かもしれません。日本で自分ごととして共有するためには、「あの人もこんな取り組みをしているんだ」「周囲ではこんなテーマで盛り上がっているんだ」と、自分以外の誰かもやっているといった状況を創り出すことが肝かもしれません。
そこで、自分の強みとなる要素を活用できる場面が来ます。それは、「祭りを起こす人」という役割です。今まで、何か大きな成果を上げた時は必ずと言っていいほど深く考えず、周囲を巻き込んで行動した時でした。新卒で入った会社で数年動かなかった案件が急に動いた(動かした)こと、そしてSOYMILのクラファン。逆に上手くいかなかったのは、周りが自分を何かに当てはめようとした場面、他者や世間からの評価を意識して行動した場面、無理して熱量を注ごうとした場面でした。これは例を出すと人名も出るので止めます。
「祭り」といって真っ先にイメージしたのが、インドのガンジス川(アグラ)に行ったときの何かの宗教・宗派の祭りです。一緒に行った友人と一緒に寺院で振舞われた無償の食事を取り、川辺で打ち上げ花火や爆竹に火をつけて楽しんでいました。部外者でありながらも、一体感があって心の底から楽しかったです。次にイメージしたのが、高校の通学路にある弘明寺商店街ですね。いつでも賑やかで、どこかが盛り上がっている光景が今でも印象的です。
気付いたら、「祭り」を自分自身で実行していました。それは去年の11月と今年の4月に初めて開催した社内懇親会です。その懇親会は社内の人だけでなく、中東から帰国した高校の同級生や北京で会った友人も招待しました。今まで繋がることが無かった人々も一緒に盛り上がっていく。それが自分にとってかけがえのない時間でした。
実は、今年に入ってから事業で大きなトラブルがあって半年くらい困っていた時期を過ごしていました。一気に資金が吹っ飛んで、今は綱渡り状態になってしまいましたが、それでも「やめよう」と思わず、むしろ続けていこう!と決意できたのは、この時の経験だけでなく所々で「祭り」をしていたからだと今振り返るとそう思います。
高校時代から面識のある方々はご存じの通り、私は人を引っ張るタイプではありません。なので、創業して今も生き残っている話をするとだいぶ驚かれます。会社主催の懇親会でも中心にいたわけではないので、フロアの雰囲気に合った音楽を絶え間なく流すことで、オーディエンスを盛り上げるDJみたな存在が自分に向いているのかもしれません。
本題に戻ると、サービスのリブランディングに実績が伴わないのではなく、「祭り」が不完全燃焼なことが原因だということに気付きました。「祭り」は抽象的な概念ですが、今後の様々な打ち手の根底の思想になります。
そして、この「祭り」を盛り上げていくことで今の状況を打破するだけでなく、自分が関わっている他のコミュニティをも盛り上げていくことができると信じています。なので、目の前の数字に一喜一憂してしまいながらも、自分が本当に輝ける今この瞬間に集中し、全力を注いでいきます。
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