「大ヒット上映中!」の実態。
引き続き数字に斬り込む、今号のmofi。
コラムを執筆したケイン(三谷の愛称)は丁寧な語り口で、言ってみれば「いまさら人に訊けない」興行収入の仕組みをわかりやすく解説しています。
大手のハリウッド・スタジオが映画を公開するには、それなりの経費がかかるというもの。ましてや製作規模が世界最大級なブロックバスター映画ともなれば、元を取るための損益分岐点が天文学的な数字になることもあります。
そんなとき、映画産業にとって良質な映画とはなにか? 単に「当たる」「当たらない」「面白い」「面白くない」だけではない「業界の実態」を、一緒に勉強してみましょう。
合わせて、僕がキュレートした4月3週目の映画ニュースはこちら。
興行のアップデートはもちろんのことですが、今回は第1四半期の決算報告が各社でなされたこともあって刺激的な話題が多く表出しました。要チェックです。
それと...私が先日、noteの個人ページに投稿した「ムービーパス」の現状についても見逃せないニュースが飛び出しました。前回に引き続き、ここはオマケのピックアップといきましょう。まずはここでおさらいを。
ムービーパス、炎上中。
いわゆる独立監査法人としてムービーパスの経営について調査していたRosenberg Rich Baker Berman & Co.が、「ムービーパスのビジネスモデルには基本的な問題がある」という監査結果を発表したことが話題になってます。要は「調べた結果、会員制で映画見放題なんて持続不可能なビジネスだ」と言っているわけですね。
これと前後して、ムービーパスの親会社Helios & Mathesonの株価は40%ほども急降下して危機的状況に。こちらは、同社がムービーパスを買収するにあたって拠出した$150Mと同等の資金を、新株の販売を通して捻出する意向を発表したことに、マーケットが反発したことが影響してます。
そして、CEOのMitch Loweもまた口がゆるい。
「顧客データを利用する」ことを大きな利点のひとつに掲げているムービーパス。しかし上記のニュースを読む限り、同社はフェイスブックの個人情報漏洩の問題が発覚して以来、そのウリをどう売り出していくかがどうやらわかっていないらしい。
Lowe自身は「ムービーパスが黒字に転じるのは2019年以降」という展望を当初から語ってきたため、この乱高下は一過性のものと見ても良いでしょう。しかしただでさえ大手劇場チェーン各社が付け入る隙を探しているときに、こう不安定だと新風もまた長続きしない。
監査法人の指摘が何を根拠にしているのか、そして何をもって一過性だと判断して良いかについては、改めて解説します。
今後も、同サービスの動向には要注意、とだけ言っておきましょう。
ではまた次回。
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