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最高のデジタル本棚のつくりかた~ノウハウまとめ

僕は東大の博士課程の研究者で、研究のために毎月けっこうな量の本を買う。

狭い家に大量の本があふれる。書き込んだメモもばらばらに存在している。なんだか効率が下がるなあと思っていた。そういう人は多いと思う。

このnoteでは、その解決策のノウハウをまとめてみた。

研究者の悩みの種となりがちな大量の本にまつわるいろいろな問題を、かなり解決できていると思う。

デジタル空間に本棚を構築し、文献の整理、部屋の片づけ、関連情報のひもづけなどを一気に解決する。

そのアイディアの実践の仕方を記した。

結論:Notionでデジタル本棚を構築すると最高

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アイディアは、Notionで本棚を構築するというものだ。

Notionとは情報を整理するためのツールで、いろんな情報を丁寧に整理するのに大変役立つ。

Slackだと時系列で情報が流れていってしまうのに対して、Notionだとナレッジやプロジェクトの情報、リサーチなどをしたのように綺麗に整理してチームで管理できる。

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類似サービスとしては、EvernoteとかOnenoteとかになるかもしれない(Notionのほうが何倍も使いやすいけれど)。

ちなみに教育関係者や学生は無料で有料プランを使える。最近は無料プランもかなり充実してきた。

今回は、このNotionをつかって本棚をつくる。

概要:ギャラリー機能を利用する

デジタル本棚は、Notionのギャラリー機能を利用して作成する。

Step①:新しいページを作り、ギャラリーを作成する。

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Step2:②それぞれのカードに書籍ページを作る。すると下のようなページが出来上がってくる。

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ちなみに見出しの画像はフルサイズにすることもできる。

本棚

これはいわゆる書籍目録を包含するけれど、使い方は全然違う。

最高ポイント①:管理性と検索性が抜群に高い。

このデジタル本棚はなぜ最高か。

第一に、さまざまな場面に応じて本の情報をうまく整理できるようになるとともに、検索性が異常に高くなる。

どういうことか。

このページのカード↓をクリックして選ぶと、

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本ごとに作成されたページがでてくる。

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上の画像をみてわかるように、タグやレイティング、関連プロジェクト、キーワードなどが選択できる。これはもともと存在するのではなく、自分で自由に作成、選択できる。この自分で設定したタグや属性にしたがって、自由にフィルタリングやソートができる。

対象としているプロジェクトに関連するもので必要な本をフィルタリングしてリストアップしたり、

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発行年でソートしたりできる。

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つまり、大量にある本の中から必要なものを場面に応じて整理して引き出してくることが簡単にできるようになるのである。

例えばプロジェクト名でフィルターを追加すると、関連プロジェクトの本だけの本棚になる。

キーワードを設定しておけば、そのワードで探すことも可能だ。

最高ポイント②:メモなどを楽に管理できる。

最高ポイント①だけだと、便利な書籍目録にみえなくもない。この最高ポイント②が重要になってくる。

2つ目の最高ポイントは、本ごとにページが作成されるので、メモや、参照したいPDFファイル、参考用の画像をすべて一元化してまとめて保存しておける、ということだ。

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本を読み終わった後に簡単な感想文を書いたり、少し内容をまとめておいたりする人は多いと思う。しかしそのメモが、いたるところに散らばってしまい必要なときにうまく引き出せないという人も少なくないだろう。

あとでまとめようとは思っていても、なかなかめんどくさい。

Notionのページでは、スマホなどのカメラから画像をとって挿入することもできる。もちろん文字に起こして保存してもいいし、参考ファイルやリンクをはっておくのでもなんでもできる。

これで、本のページを開けば、そこに自分のメモ、参考リンク、必要なファイルなどがすべてまとまっている状態がつくれる

そしてこのメモ自体も、キーワード検索の対象になるのが素晴らしいところだ。あとからメモの内容やそこで書いたテキストなどを対象として検索ができる。

その結果として「あの話、どの本に書いてあったっけな・・・?ポストイットを貼って色々書いたのは覚えてるんだけどな・・・?」ということがなくなる。

どう考えても一からデジタル本棚を完璧に構築するのは大変すぎるが、最近さわったり読んだりしている本をなんとなくデータにしていってみるだけで、数週間すると自然とかなり使いやすいデータベースが生まれていく

同時に、このデータを作成する効果は、プロジェクトや研究の遂行のなかでさらにインパクトのあるものになってくる。その点については次に述べる。

最高ポイント③:書籍間にリンクが生まれてくる

さて、ここまでの話をざっくりまとめると、

①デジタル本棚をつくると検索性と管理性能がとても向上する

②メモなどを書き起こすときにページをサクッとつくっておけば、メモなども一緒に綺麗に整理できる、

と書いた。

しかし、最も作業能率を向上させる最高ポイントは、この③だ。この③がすごいと感じている。

端的に言えば、「データベース間にリンクができてくる」ということ。この点について説明したい。

例えば一つの本のページをつくったとき、「この本はあの本と内容近いんだよな」と思ったとする。普段なら、本の端の余白に関連書籍のタイトルをメモするかもしれない。

Notionではある本のページに別の本のページへのリンクを貼るということができる。下の画像のように。

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このリンクを叩くと、別の本のページに飛ぶことができる。

そうすれば、あるWeb記事を読んだ後に「次はこちらの記事はどうですか」という動線が用意されるように、本のデータ自体が相互にリンクしあうようになっていく。

この効果は実はもう少し拡張できる。

そもそもNotionは、自分のプロジェクトを整理したり、たくさんのメモやリサーチ結果をまとめておいたりできるツールだ。つまりプロジェクトや研究のメモ、議事録、進捗などもまとめておけるのである。

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そこで、対象とする本のページの中に、書籍と関連するリサーチのページをはっておいたり、あるプロジェクトのメモをリンクではっておくようにする。すると、Notion全体の中でさまざまな情報が本を介してリンクしあい、相互の関連性が蓄積されていくようになる。

どういうユースケースかもう少し具体的に説明してみる。

①何かのプロジェクトでリサーチをした。記事をみて、「あ、あの本と関連しそう!」と思った。

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②プロジェクトページのリサーチのページに、記事のリンクと、関連すると思った書籍のリンクを貼っておく。

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③後からリサーチ内容を整理している時、書籍ページに飛ぶと、過去のいろんな場面でのメモが蓄積されている。「そういえばこんなこともかいてあったなあ」となる。

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④そのメモから、また別の関連情報にとんでいく。

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⑤また別の関連情報へリンクをたどっていく。

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このように、デジタル本棚を構築しておけば、データベース間のリンクが生成され、そのリンクをたどっていくことで、過去の蓄積を紐づけて思考を進めることができるようになる。

この効果はけっこうすさまじい。

端的にいって、関連情報のネットワークはなかなかきちんと蓄積されない。「この内容は過去のあのプロジェクトでも考えたな!」ということはあるけれど、気が付くとうっかり忘れてしまうことも多いし、過去に調べたことを失念して重複してリサーチしてしまうことも多いだろう。

デジタル本棚をつくって、簡単なメモを通してページをつくっておけば、自ずとデータベースのネットワークが積分で蓄積されていく。このことによってリサーチや過去の思索のオーバーラップは格段に効率が上がる

これをチームでやると、恐ろしいほどの効果があると思う。

各スタッフの考えたことが一枚の書籍ページに蓄積されていくだけでもすごい効果が期待できるが、個々の内容がほかのプロジェクトページ、ナレッジページと相互リンクしまくっていくのである。

つまり、何かテーマをチームメンバーに話したときに、「あの事例が関連するよ」といわれてリサーチが進むようなことが、ひたすらNotion内に蓄積される。

デザインファームでも研究室でもどこでも、Notionでデジタル本棚をつくればすさまじい情報収集と思索の深化に対するインパクトが得られるだろう。これについては今後検証してみたい。

最高ポイント④:文献の構造化マップを作成しやすい

さて、この本棚はボタン一つで表に切り替えられるのだが、

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さらにCSVで書き出しができる。

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ちょっとしたトリビアだが、

こうして選択した状態で、コピーし、

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Miroにペーストすると、

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すべてがポストイットに入力された状態で出てくる。

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あとはこんな感じでグルーピングしたりマッピングしたりすれば、文献マップなどが簡単に整理できる。既往文献の構造化をする研究者にとってはこのスムーズさはめちゃくちゃ有益だ。

改めて書籍のリストが作成されていることのありがたみをかんじる。

最高ポイント⑤:本棚の適切なデザインは心の安寧につながる

最後の最高ポイントについて。

前提として、資格関連の本がたくさん並んでいるとかは、心がすさむのでやめた方がいいと思っている。

自分の心を耕してくれない、心を豊かにしない参考文献が毎日目に入るときつい。これをなくせると、心の安心感が凄い。実際、あまり目にしたくない参考文献リストや資格関連の書籍は即刻目の届かないところにおくようにしている。考えまいと思っていても、目に入れば無意識に考えてしまうのだ。空間デザインの観点からもこの手法で、みえる本を制御することは大事だ。

本棚は生活の雰囲気を作る。

自分のお気に入りの写真集、小説が適度に並んでいて、開くと心が躍る本ばかり並んでいるほうがいい。

そういう意味で、こうしたデジタル本棚をうまく活用できることで、参考文献的な本は倉庫にいれておいても、①ピックアップした情報やスクショなどの必要な情報はまとまっているし、②大体の場所さえ書いとけば深掘りしたいときには本をだしてくればいい、という運用ができるようになる。

その結果、インテリアの本棚には自分のお気に入りや好きなものだけおける。こうした整理が心の安寧をつくりだす。

最後に:リアルな本をもっと楽しむためにデジタルを活用しよう

紙の本か、電子書籍か、という二項対立的な議論も不毛だが、本だけを考えるのも不毛だ。本棚も一緒に考えないといけない。紙の本も電子書籍も一長一短であるように、デジタル本棚とフィジカル本棚も役割が違うからだ。

それぞれの特性を以下の表に整理してみた。

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それぞれの特性を適切に把握しつつ、互いに相互補完することで、知の海を漂う素晴らしい体験を作ることができるのではないか、と思う。

まとめ

Notionのギャラリー機能でデジタル本棚をつくる。
すると、

①本の管理と検索が格段に楽になり、プロジェクトの場面に必要な本を簡単にリストアップできるようになる。

②メモや参考情報などをセットにして一元的に管理できるようになる。そのメモの内容も、検索の対象になる。

③書籍についてのデータを中心として、Notion内のデータベース間の相互リンクが生まれることで、過去の思索やリサーチを芋づる式にオーバーラップしていくことが可能になる。

④Miroと合わせると文献マップもラクに作成できるようになる。

⑤フィジカル本棚と組み合わせて考えることで、空間の雰囲気をつくるフィジカル本棚をより豊かにできる。

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石田 康平
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