金魚坂にて博士論文の議論。
昼ご飯を食べながらの議論。Hくんと、建築の後輩。実りがあったので記録しておく。
Hくんは博士の同期。彼とは学部1年生のころからよく話す。もう8年目になるのか。
新建築の論考が入賞したとき、とある社団法人で小さなイベントを開いてもらった。祝賀会のようなもの。Hくんはその時にも来てくれる。そのときにも話せなかったことを、いろいろと話す。
人と話すときは、うんうんと唸って考えたことを持ちよる感じ。自分の中で仮説すらできていないとき、うまく人と話すことができない。
ときおり対話が調子よくすすむときがある。点と点がつながり、次のアイディアが突然目の前におかれているような感覚。いつも、だらだらとそんな瞬間を待っている。昨日はその感覚がやってきた(気がする)。
昨日、喫茶「金魚坂」でやったこと
➀「夢」という概念の深掘り、②とても面白い事例を教えてもらう、③実験アイディアの議論
➀「夢」という概念の深掘り
金魚坂という店で定食を食べながら話す。こういう時間は久しぶり。この日は論考について話す目的。「とりあえずあって飯でも」でないところが心地いい。
論考をあらかじめ読み込んできてくれているのですぐに深い話に入れる。ありがたい。突拍子ない話でも「この人は内容をわかってて、何かしらの意図があって聞いてくれている」という安心感があるし、うまく伝わっていない箇所は「伝え方が悪い箇所なんだな」と気が付ける。
内容を共有できているからこその、彼のいろんな言い換えが興味深い。言葉をかえてみると、概念に対する見方もかわる。ふーむ。どこかで文章にしてくれ、と頼む。やってくれるそう。いずれ。
鯖味噌定食を食べながらちょっとずつ話す。後輩は中国茶を頼む。「茶葉が開いたら飲んでください」とよくわからないものがでてくる。次第に、ワカメが増えるみたいに茶葉が増える。繰り返し茶葉がでるらしいので何度もおかわりする。僕は食事のあとコーヒーを飲み、水を5回くらいおかわりする。気が付けば2時間半。
夢の研究とスタジアムの研究がつながることにHくんが気付いてくれる。はじめて人と共有できた。少し自信が生まれる。
②とても面白い事例を教えてもらう
VRの面白い事例も教えてもらう。たこを引いてるつもりの人とつりをしているつもりの人の引き合い。それぞれがまったく違う行為をしているつもりなのに、気が付けば相補している。Space OSというプロジェクトらしい。ドイツの研究チーム。アクティビティテトリスみたいだ。
次も同じドイツの研究。バドミントンゲームをしている人ともぐたたたきをしている人たちの共存。みんな違う行為をしていて違う世界にいるはずが、結果的に4人でぐるぐる回っている。
集団をあつかうある一つのシステムのなかにみんなはいるけれど、それぞれに与えられるUIは違うということか。それぞれ別のゲームをしているつもりが、結果的にはぐるぐる回転するというひとつの集団行為をなす。
そう、こういうことを考えたかったのだ、と嬉しくなる。とっかかりがみつかれば、かなりリサーチが進む。助かった。今月はこれを調べてみることにする。
③実験アイディアの議論
うまくいくときはいろんなことがすっとうまくいく。こういう瞬間をのんびり待つことも大事ということか。釣りのようなもの。
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2025年3月に「夢における空間論」を書き上げるまで
旧「2023年3月に博士論文を書き上げるまで」。博士論文を書き上げるまでの日々を綴っていました。今は延長戦中です。月に1回フランクな研究報…
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