野球選手に対してのテーピング−腰部疾患−
■はじめに
noteをご覧いただきありがとうございます。
CI-Baseball育成メンバーの吉田 昂平 です!
テーピングの総論について佐藤 康さんに説明していただきました。おさらいとなりますがテーピングは以下のような目的で使用されます。
★怪我の予防
★応急処置
★怪我の再発予防
それぞれの選手の目的や用途に合わせて適切なテーピングを施すことが重要です。
テーピングの総論に関しては下記のnoteをご参照下さい。
野球選手に多い肩関節・肘関節・手関節・手指障害に対してのテーピングについての情報は下記のnoteをご参照下さい。
今回は、野球選手に多い腰部疾患に対しての絞って、テーピングの情報をお届けしたいと思います。
バレーボールに次ぐ2位。
スポーツ競技で腰痛の原因となりやすい動作は、ジャンプやスローイング・背走、回旋動作が多く出現する動作です。
腰部症状が出現しやすいのは、外野手で発生する傾向にあります。
■内野手にない外野手比較
★ダッシュの距離が長い
★背走時に腰椎伸展での回旋動作(+)
★左右の打球に対しての追走時に腰椎の回旋を伴いダッシュ
野球選手のなかでも外野手が腰部症状を起こしやすいと言われています。
ダッシュや打球の追走で切り返しによる腰椎回旋を伴うことが要因と考えられます。
よくみられる腰部の外傷・障害としては、腰椎分離症、椎間板ヘルニア、筋筋膜性腰痛などがあります。
腰痛は画像診断がつく”特異的腰痛”と画像上明らかない”非特異的腰痛”に分類されます。
腰痛の85%は非特異的腰痛と言われています。
■腰椎分離症
腰椎の椎弓部に伸展や回旋のストレスが加わり、応力が集中することで疲労骨折を生じます。
•伸展時痛
•回旋時痛
•Kempテスト陽性
などの症状が出現している場合は腰椎分離症を疑います。
■腰椎椎間板ヘルニア
脱出した椎間板組織が神経根等を圧迫し、腰痛や下肢痛を引き起こします。
基本的に脱出は過剰な屈曲ストレスが多くなることで、椎間板が後方から生じます。*外側から脱出する場合もあります。
•下肢痛
•しびれを伴う腰痛
•SLRテスト陽性
などがある場合は腰椎椎間板へルニアを疑います。
■筋筋膜性腰痛
不良姿勢などが要因で腰部の筋や筋膜に対して急激あるいは慢性的な負荷がかかり腰痛が出現します。
筋膜には知覚神経が豊富であり、皮下組織や腰背筋膜外側層にも知覚神経が多いと報告されています。
そのため、腰部の筋・筋膜は疼痛感覚を感じやすく腰部症状を多く訴えることが
推測されます。
テーピングは、動くことが可能であるが腰部痛や不安感などがある場合や、治療やアスレティック・リハビリテーションの過程において使用します。
■サポートテープの目的
腰部を圧迫して筋緊張や痛みの軽減を図ります。さらに、弾性包帯も併用し腰部を固定して動きを制限します。
*疼痛があるのにもかかわらず、テーピングに頼り競技に復帰することは禁忌です。
|ポイント
斜めと水平のサポートテープで腰部をしっかり圧迫し、弾性包帯で固定する。
|使用テープ
①ホワイトテープ38mmか50mm、弾性包帯
②キネシオテープ
|方法
①ホワイトテープ、弾性包帯
1.ポジショニング:テーブルなどに手を置き、上半身を軽く前屈み(約30度前屈)にした状態で腰部の緊張が最小限にして行います。
2.アンカー:腸骨稜のやや下方(大腿骨の大転子)から第9肋骨付近までアンカーを貼ります(両側)。
3.斜めのサポートテープ①:アンカーからアンカーへ斜めにサポートテープを貼ります。下端から上端へ強く引っ張り上げながら腰部を圧迫します。
4.斜めのサポートテープ②:アンカーからアンカーへ斜めにサポートテープを貼ります。①で貼ったテープと中央でクロスさせます。
5.斜めのサポートテープ③:①で貼った斜めのサポートテープに半分重ねながら、アンカーの下端から上端まで貼っていきます。
6.アンカー:腸骨稜のやや下方(大腿骨の大転子)から第9肋骨付近までアンカーを貼ります(両側)。
7.水平サポートテープ❶:アンカーからアンカーへ水平のサポートテープを左右交互に貼っていきます。下端から上端へ強く引っ張りながら腰部を圧迫します。
8.水平サポートテープ❷:❶に半分重ねながら、アンカーの下端から上端まで貼っていきます。
9.アンカー:腸骨稜のやや下方(大腿骨の大転子)から第9肋骨付近までアンカーを貼ります(両側)。
*殿部上部に違和感がある場合は、三角形に切れ目を入れます。
10.固定:腹圧を高めることで固定性が上がります。下腹部(へその下)にしっかりと圧力をかけて強く巻いていきます。
*へそより上方で巻く時に呼吸が苦しくなる場合があるため、強く巻かないように注意が必要です。
②キネシオテープ
筋の走行に合わせてして筋緊張や痛みの軽減を図ります。
1.ポジショニング:テーブルなどに手を置き、上半身を軽く前屈み(約30度前屈)にした状態で腰部の緊張が最小限にして行います。
2.上後腸骨棘より上部から肩甲骨下角の下方まで、脊柱起立筋に筋サポートテープを貼ります。下方から上方へ引っ張りながら貼ります。
■おわりに
最後までご購読いただきありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?
以上が野球選手の腰部疾患に対するテーピングになります。
テーピングの使用は怪我の予防や再発予防のために有効だと考えます。
是非、野球現場や臨床の場で活用の一助になれれば幸いです!
今後も野球に関連する情報を発信していきたいと思いますので、
どうぞ宜しくお願い致します!!
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