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【Books】人は、相手の過去を愛するのか。

なんだか仰々しいタイトルをつけてしまいました。

「ある男」平野啓一郎著

九州の田舎町で暮らしていた幸せな夫婦。その夫が事故で亡くなってしまいます。妻は夫から聞いていた情報を元に、夫の実家に訃報を伝えるのですが、そこから物語は動き始めます。
駆けつけたお兄さんが発した言葉は「この人は弟ではありません」という衝撃の一言。

夫が語っていた自分の過去は嘘だったのか。
嘘だとすると、夫は何者だったのか。

ちょっとしたサスペンスものかなと思って読んでいたのですが、
読み進めるうちに人間の普遍的な問題を考えさせてくれる作品です。

人が見ているのはその人の「過去」である。
ということは、人を愛するということは、その人の「過去」を愛するということである。
それでは、もし愛した人の過去が嘘だった場合は?
相手を愛し直すことができますか?

最近の小説や漫画はテーマが深すぎて胃に悪いですねー。

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