#254 「あなた」に求めるという姿勢
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
前回は機能不全を起こしているチームの「みんな」にコミットメントを求めてはいけないという話をしました。
チームは異なる個人の集まりです。価値観の違い、能力や経験の差があるため「みんな」に同じ内容を伝えても、受け取り方は人それぞれです。
そして、機能不全を引き起こしている時点で、メンバーのコミットメントが欠如しています。チームへの要求は「自分以外の誰か」に向けられていると捉えられてしまうことも受け入れなければいけません。
そのため、一人ひとりに対して直接伝える必要があります。頭ではわかっていてもなかなかやりたくないです。
まず、単純に時間がかかります。チームメンバー、営業、上のレイヤーの人など、一人ひとりとの30分ずつを確保するとあっという間に1日が終わります。
また、人に合わせて話す内容を変える必要があります。
上のレイヤーには見えていない現場の様子を伝え組織の目標達成に対して具体的なオーダーを出します。
営業メンバーには、営業としての成果を最大化するためのエンジニアとの協力の仕方や、長期的に価値を提供するための記述的な観点でのフィードバックを伝えます。
若いメンバーには抽象的な話では伝わらないため、メンバーが直接経験した具体的な事例に絡めて伝え、相手の話を引き出しながら自己説得を目指します。
同じレイヤーのメンバーとは目指す方向性のすり合わせをしつつ、互いに求めることを具体化しマイルストーンを立てて実行に移します。
これを一度やるだけではあまり意味がありません。やり続けなければ、チームの機能不全は解消しません。
しかし、ずっとこれだけをやってはいられません。中堅メンバーにも伝える側に回ってもらえることや、チーム内で互いのコミットメントを求める空気感を醸成していくことが、強いチームを作っていくには欠かせません。
それが、難しいのですが。。。
それでも最近は「みんな」ではなく、個々人に対して「あなたには◯◯のコミットメントを求めます」と伝える時間を作っています。
その中で、ある若手メンバーの振る舞いを一緒に振り返りました。この記事でオーナーシップが欠けていたエンジニアの振る舞いについてです。
すると「営業の依頼をそのまま実現するだけではだめですね。」という課題点を自ら口にし、改善すると伝えてくれました。
この言葉は本当に嬉しかったです。
まだまだ、課題は山積みですが、チームが機能し高いパフォーマンスを発揮できるように一人ひとりと向き合っていきます。
ということで、チームの「みんな」でなく、一人ひとりの「あなた」に対して期待を伝え求めていくことの必要性、大変さ、そして伝わった時の嬉しさを感じる体験の共有でした。
ランチェスター戦略と同様に、愚直に一騎打ちを仕留めていくことが成功への近道ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。