#224 決断と段取りで仕事は進む。マネージャーは決断の機会を与えよう
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
今日は仕事を前に進める人は「決断をして段取りを決められる人」であるという話です。
この話をしようと思ったきっかけはこちらの木下さんの放送です。
◯正解なんてわかりはしない
現在は「VUCAの時代」と呼ばれています。VUCAは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」を表します。
技術の進化や社会情勢の変化が急激で予測が困難な状況が続いています。システム開発においても、複雑に絡み合う様々な状況や条件の中で唯一の正解はありません。
プロジェクトの関係者と合意した要件が鶴の一声でひっくり返ることもあれば、想定していた前提条件が崩れることは防ぐことが難しいです。
そんな状況で、議論を尽くしたところで正解を見つけ出すことは現実的ではありません。
決断を先送りにして、会議を繰り返すことは時間の無駄でしかありません。
正解は議論するだけでは見つけられるものではありません。
準備をしないで、とりあえず集まって意見を出し合うブレストには意味がありません。
◯決断して試して正解を手繰り寄せる
では、正解はどのように見つけるのでしょうか。そもそも正解は見つけるではなく、手繰り寄せるものではないでしょうか。
正解を手繰り寄せるには、今わかっていること、わかっていないことを可視化し、わかっていないことを減らすために行動するしかありません。
そのために、何をわかるようにするかそのために何をするのかを決断し、その目的をいつまでに達成するのかを決め、達成するまでの段取りを決めて、実際に行動するまでがセットなのです。
小さくで良いのでまず行動することで解像度が上がり、より良い判断が出来るようになります。不確実性を下げ、判断材料を増やすためにも議論ではなくアクションが必要です。
マンガ「宇宙兄弟」で、六太(むった)が宇宙飛行士になるための訓練中に取り組んだ、『小さなロケットで打ち上げ、パラシュートで落下させてから自動で目的地に走るような「完全自動二輪車」を作る。』という課題で「これじゃあ、失敗できねえ。壊れたらお終いだ。失敗することを前提としてやらないとダメだ。」とロボットを二つ作る前提で予算を組んだ話があります。
あらかじめ失敗することを考慮し、失敗で得た知見を活かすことでより良いものを作るという発想も、まずは行動を起こし解像度が上がることで正解を手繰り寄せることが出来るというのと同じです。
チームとしてもまずは小さく試して改善することを繰り返すことで、試すことのハードルが下がり、まず実際にやってみるための腕力を鍛えることにも繋がります。
大きなプロジェクトである程に不確実性が高く、失敗の可能性が高いです。そのため、一度失敗する前提でやり直しを考慮した段取りやスケジュールを組むことも必要です。
そのためにも、さっさと決断してアクションを始めないと、やり直す時間はどんどん無くなってしまうのです。
◯リーダーは決断する責任を与えるべし
正解を手繰り寄せるために、「決断をして段取りを決めることが出来ず、誰かの決断にフリーライドする人が多い」という木下さんの指摘は、その通りだと思います。
私のチームのメンバーも、誰かの決断にフリーライドする人が多いです。会議の中で決断が必要なシーンでも発言せず、結局私が決断し段取りを決め、各メンバーにタスクをアサインするというシーンが良くあります。
また、経験の浅いメンバー程、失敗することを想定できずに、ギリギリのスケジュールで進めてしまいます。大まかな段取りしか決めていないと、失敗の期限直前でリカバリーが必要になりあたふたするというシーンをよく目にします。
失敗のリカバリーを考慮した段取りの必要性は適宜伝えているのですが、実感がわかないと行動に移すのが難しいのだと思います。
そのため、メンバーには小さなプロジェクトの段取りや進行を丸っと任せるようにしています。「このプロジェクトの責任者はあなたです。相談してもらえたらいくらでもフォローはするしヘルプを求めてもいいけど、ゴールまで持っていくのあなたです。こちらからはフォローしないです。」と最初に宣言して任せることで、決断と段取りをすることを強制しています。
最初にプロジェクトをやりたいかの意思確認をし、「やる」という合意形成をしたうえで任せているので、本人ももうやるしかありません。
木下さんも旅行は決断の連続であり決断のトレーニングになる。と仰っていましたが、決断の機会を強制的に作らないと決断から逃げてしまうのは人間なので仕方がないです。
チームの若手であれば、シニアメンバーが決断してくれると任せてしまう気持ちもわかります。
しかし、自分自身で決断できることで、やりがいのある仕事ができるため、積極的に判断の機会を与えるようにしています。それがリーダーやマネージャーの役割であると思っています。
実際に、最近はプロジェクトを任せた若手メンバーの成長を実感するシーンをが増えています。本人からも成長を実感できているという話を聞くと嬉しくなります。
引き続き、メンバーには成長の機会を与えられようにしていきたいと思います。
ということで、決断と段取りで仕事は進むということ、決断の機会を与えるのがマネージャーの仕事である。という話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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