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#222 思い込みではなくデータや数字を元に考える

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

東京は豊かである。というのが、ただの思いこみであることが実は国交省の「企業等の東京一極集中に関する懇談会」の都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)のデータ見れば一目瞭然です。東京都の中間層の世帯は、他地域に比べて経済的に豊かであるとは言えないのです。

この事実に関しては、木下斉さんの解説をぜひお聞きください。

さて、今日は木下さんの放送を受けて、思い込みを正すためにはデータや数字で語ることが大切だという話です。顧客からの筋の悪いアツい要望に対する提案をしたという話です。


〇ユーザーの情報登録を促すために目につきやすいところに移動してくれ

私のチームはとある顧客に対して、ユーザー情報を登録・管理するシステムを提供しています。顧客のビジネス上、ユーザーには複数の連絡先を登録してもらう必要があるのですが、ユーザーがなかなか登録してくれないために、顧客が求めたのが「ユーザーの情報登録を促すために目につきやすいところに移動してくれ」ということです。

ユーザーが登録してくれないのはその項目が目につかないからであり、目につく場所に表示すればきっとユーザーは登録してくれる。という期待があったのでしょう。

しかし、残念ながらそんな施策にあまり意味はないのです。それをデータを元に説明し、別の提案をしました。

〇まずはログインさせるところから

そのシステムは特定の業務で使うものであり、その業務は年に数回程度しかないためにユーザーが積極に使いたくなる性質のものではないのです。いざ、その業務を行う際にはとても利便性があるのですが、その年に数回の業務に向けて積極的に情報を登録するユーザーは稀有です。

登録項目を目立つところに置けば登録してくれると期待したくなる顧客の気持ちはわからなくないですが、それはただの思い込みなのです。

約7,000のユーザーの内訳は下記の通りです。

①登録済ユーザー:1割
②ログイン済、未登録ユーザー:7割
③未ログインユーザー:2割

2割のユーザーはログインさえしておらず、ログイン済のユーザーのうち直近1か月でログインしたユーザーは1割程度です。

つまり、まずやるべきはなのは、ユーザーにログインさせることなのです。

〇データを集めながら改善する

ユーザーに情報登録を促すには、まずはログインさせることです。そこはユーザーに直接のアプローチが出来る顧客に頑張ってもらう必要があります。

その後、ログイン済の7割のユーザーが情報は登録していないことからも、ログイン後に多くのユーザーが情報を登録していくれることは期待できません。そもそも、その情報は顧客が代理入力したり入力の案内を通じて登録してもらうという人海戦術前提だったのです。

そのため、ユーザーに情報登録を促すためにログイン後のトップ画面に「ここから登録をお願いします。」という目立つボタンを設置し、そのボタンから登録画面に進んだユーザーがどれくらいいるかを把握しようと思います。

そもそも、目立つ導線があるのに登録してもらえないのであれば、より強制力のある仕組みを導入するか、システム上で能動的に登録してもらうというアプローチ自体を変えることが望ましいと判断ができます。

まずは軽微な対応でデータを集め、適切なアプローチを模索していこうと思います。

この軽微な対応で登録数が伸びるかどうかはわかりません。しかし、いずれにしろ思い込みで筋の悪いアプローチの無駄打ちをするのでなく、データや数字を元に施策を考えていくことが大切だと実感する機会でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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