
#115 名将は人に戦術を当てはめる
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
前回は、プロジェクトマネージャーをサッカーの監督で例えてみました。
isawakiさんのサッカーで例える「なんたら長」の動きシリーズの最新記事はこちら。
向き不向きを少しずつ試して、どんなタイプかを見極め、その上でタイプの型にはめず、徹底的に把握するのが、令和型組織は現実的です。
なんたら長は「なんかこう良い感じの中堅」とは言ってはいけない。
徹底的に把握していればこのような要求とはならず、要求内容を明確化して人員要求をするはずです。
徹底的に把握することの重要性を、サッカーの名将に例えてみます。
〇サッカーの名将のタイプ
名将と呼ばれるサッカーの監督を、この二種類に分類することがあります。
戦術に人を当てはめるタイプ
人に戦術を当てはめるタイプ
なんたら長は後者であるべきです。
プロのサッカーチームには潤沢な資金やチームブランドによって優秀な選手が集まる銀河系軍団と呼ばれるようなチームがあります。
銀河系軍団のように能力の高い選手が集まっていれば、監督の求める理想的な戦術を体現することが出来るかもしれません。
しかし一般的な組織では、今いるメンバーの中でより高いパフォーマンスを発揮できる戦術を落とし込める監督が必要です。
〇監督はプロジェクトマネージャー
ピッチ外では1シーズンを通してどのように勝ち点を積み上げるのかを計画し、シーズンの中での変化に対応しながらチームをリードします。
ピッチ内では味方と敵のプレイヤーと向き合い、試合をコントロールしパサーとして勝ち点獲得に貢献する役割を担います。
前回の記事では、1シーズンという期限でリーグ優勝することをプロジェクトと見立て、プロジェクトマネージャーの役割をこのように述べました。
今回はピッチ外での監督の役割について掘り下げます。
人に戦術を当てはめる監督には当然プレイヤーの徹底的な把握が必要です。
そしてリーグにいる各チームの戦力やリーグのレギュレーションなども徹底的に把握します。
プロジェクトにおいては、メンバー、顧客の要求、期限、費用、全体スケジュールなどを徹底的に把握する必要があります。
〇名将は「いい感じに」とはいわない
徹底的に把握した監督は、チームに合った戦術を明確に言語化し、チームにコンセプトを植え付け、戦術が浸透するように徹底的にすり合わせを行います。
昨年J2を圧倒的な強さで制し、J1の舞台でも首位をキープしている町田ゼルビアの黒田監督も名将と呼べるでしょう。
細かな指示を出すのでなく、原理原則を基にした共通認識を作り、日々の練習からチーム全体で突き詰めていく。
そこには「いい感じにプレーしよう」といった曖昧な言葉は登場しません。
明確な要求があります。だから強い。
ただし、決まりきったプレーを実行することが目的でなく、チームの勝利の可能性の高い戦術から逆算してプレー選択を出来るように準備をするということで、相手ゴール前でのアイデアや個の力を発揮すべきシーンでは自由はチャレンジが推奨されます。
〇名将は人にフォーカスする
人に戦術を合わせるということは今いるメンバーで出来ることを考えるということではありません。
今のメンバーをベースとした時に、さらに上のレベルの戦術を実行出来るようなプレイヤーをチーム外から獲得することも必要です。
チームを、個々のプレイヤーを徹底的に把握し、+αを作れる選手を明確にし、獲得に動きます。
名将は「なんかこう良い感じの中堅が欲しい」とは絶対に言いません。
そんないい加減な要求でプレイヤーの獲得を人任せにするのは論外です。
※この記事では「中堅レベルの社員を名指ししこのレベルの方が2,3人ほしいと依頼した」と記載しておりますが、実際には要件定義・設計・実装が出来る、更に他のメンバーをリード出来ると良いといった要求をしています。念のため。
人をその気にさせる力も名称の重要な素質の一つです。
レアルマドリードの監督を務めたアンチェロッティやジダンはとにかく選手のモチベーションを上げることが上手で、ここぞという試合でのレアルの勝負強さに大きく貢献しています。
ソニー創業者の井深大も、あくまで「人間」が中心と考え、人をその気にさせる人間的魅力があったと言われています。
相手や状況を徹底的に把握しなければ、モチベートさせることなどできません。
ということで、人や状況を徹底的に把握する監督こそが名将であり、プロジェクトマネージャーにも徹底的な把握が求められるという話でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。