#237 みんな大好きセイコーマートが最強のコンビニであるわけ
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。いかがお過ごしでしょうか。
みなさんはセイコーマートがお好きですか?
私は今年5月に知床を旅行した際に、妻に「セイコーマートには絶対行こう!」と誘われて、はじめて大きなおにぎりやフライドチキンや牛乳のおいしさが抜群のカフェラテなどを味わい、一気にファンになりました。
その後、旅行中に何度もセイコーマートに立ち寄らせていただきました。
知床旅行についてはこちらの記事でも紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。。
セイコーマートは、日本版顧客満足度指数調査のコンビニ部門の顧客満足度で9年連続1位を獲得しています。大手のコンビ二をおさえての1位はすごいですね。
さて、今回はみんなが大好きなセイコーマートについて、先日のがっちりマンデーで特集されていましたので、その内容と合わせてセイコーマートが最強のコンビニである理由について考えてみました。
なお、この放送はTVerにて11月10日(日)までは見れるようです。
〇内製化によるオリジナル商品へのこだわり
セイコーマートのおにぎりは大きくてふっくらしており、中の具がとにかく美味しかったです。
そのおにぎりの具材の競りによって調達されます。そして、自社の工場で
加工されます。自前で仕入れて自前で加工することで、素材の品質を担保し仕入から店頭までのスピードを早めることができ、新鮮なおいしさを提供出来るのだそうです。
仕入を依頼している競合が多い中、あえて内製にこだわっています。
また、セイコーマートでは年間約8,000tの野菜を使用していますが、そのほとんどが自社農場である北栄ファームや、契約農家、農協から直接仕入れており、収穫した野菜は最短で翌日朝には店舗に並ぶそうです。
また、自社で育て自社で加工するため、味が良ければ規格外の曲がったキュウリは惣菜に、トマトもクラッシュしてミートソースとして使うなど無駄がないため、低価格の商品を提供することが可能です。
野菜に限らず、焼き鳥の加工で余った端っこの肉はペペロンチーノに使うなど、とにかく無駄をなくすオペレーションにこだわっています。
さらに、人気の牛乳も豊富町の牧場を買い取り、牧草主体で育てているのでスッキリと臭みのない味になるそうです。こちらも内製化ですね。
内製化をすることは事業リスクを抱えるということでもありますが、「リスクを取らないとオリジナルは作れない。リスクにチャレンジした先に成功がある。」と大手と同じことをしていたら負けるという危機感から、内製化へこだわりを持っているとのことです。
〇非効率を追求する差別化つくり
セイコーマートといえば「ホットシェフ」です。セイコーマートの誕生は1971年と、コンビニとしてはセブンイレブンよりも3年先輩です。
そして、店内調理もセイコーマートが一番はじめに取り入れ、他社が真似をしていったという形です。
ただし、ホットシェフは他のコンビニとはこだわりが違います。
他社の店舗ではフライヤーがある程度ですが、セイコーマートの厨房は5坪ほどあり、おにぎりのご飯を炊くところから厨房で調理します。しかも、ガスの炊飯器でふっくら美味しく炊き上げます。お米はななつぼしを使っており、筋子のおにぎりがとにかく美味しかったです。
調理を担当するスタッフは調理の専門職として扱い、給与も通常のスタッフよりも高く設定されます。普段から料理をされる料理好きの主婦の方が調理をしてくださるため、美味しい商品が提供できるということです。
主婦の方が「ご飯を作りたくない時はセコマのカツ丼で!」と買って帰るカツどんは専門店並みの味だそうです。(次北海道を訪れる際は必ず食べよう。)
カツ丼の調理で、あるひと手間を加えると味が劇的に変わるという企業秘密のおいしさの工夫があるなど、店内調理はノウハウの塊なのだそうです。
あえて、店内厨房での手間をかける非効率なオペレーションを追求するという他社と真逆の戦略をとることで、フライヤーで揚げるだけの他社では真似できない差別化を図っています。商品数を増やすと調理の難易度が上がるため、新商品をあまり作らず、美味しい定番商品を優先するという戦略が徹底されています。
また、他社と差別化出来ないおでんや恵方巻きはやらないのだとか。なるほど。
〇「地域おこし」よりも「地域のこし」
北海道の人口減への対応について「地域おこし」ではなく、「地域のこし」と言い換え、共生による生き残りを目指しています。
店舗には、停電時にも店を動かす仕組みを整えており、2018年の地震の際にもほとんどの店が閉まる中、セイコーマートは店を開けて食べ物を提供するなど、地域に欠かせない役割を果たしています。
と、過疎地でも成り立つビジネスを実現されています。
各店舗は24hの営業をしなくても良い。店舗で商圏を食い合わないように既存店の近くへは出店させない。フランチャイズのロイヤリティも10%と低く設定(大手コンビニは35%)。価格決定権が店舗にあり、賞味期限の近い商品の値下げも店舗に任せている。など、地域のインフラを担える店舗運用を優先しています。このような、社会課題に立ち向かう姿勢がセイコーマートが愛される理由であり、他社には真似できないポジションを獲得することに繋がっているのだと思います。
ちなみに、がっちりマンデーでは、1日で76個の新商品を試食してフィードバックをされたり、セコマの物流会議でドライバー給与についての改善案に言及されたり、地方センターのパートさんの辞める理由にも踏み込んだり、現場の細かなところまで目を光らせる丸谷会長の姿が映されていました。
また、丸谷会長が自ら車で5時間かけて現場に向かうことで、「現場に熱量を伝えているんだ。」というセリフが印象的でした。
ということで、セイコーマートは味や値段へのこだわりだけでなく、地域のインフラとして共生・共衰する姿勢にみんなが大好きな最強のコンビニであり続ける理由がある。という話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。