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#139 フルサイクルエンジニア① ~星野リゾートのサービスチームとの共通点~

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
最近、4回にわたり「事業をエンジニアリングする技術者たち」という本の紹介をさせていただきました。

この本で紹介されている『フルサイクルエンジニア』という考え方に私は非常に共感しており、私自身もフルサイクルエンジニアとして働いています。

このフルサイクルエンジニアは星野リゾートのカルチャーの一つであるサービスチームと共通点が多いなと感じています。

ということで星野リゾートと絡めて、フルサイクルエンジニアについて紹介します。

〇フルサイクルエンジニアとは

フルサイクルエンジニアという言葉は、2018年5月に書かれた Full Cycle Developers at Netflix — Operate What You Buildという記事にある "full cycle developer" に由来しています。

この記事は、CARTA TECH BLOGのNetflixにおけるフルサイクル開発者―開発したものが運用するという記事で翻訳が公開されています。

Netflixにおけるフルサイクルとは、開発チームが運用とサポートを含めたサービスライフサイクルの一連のタスクをすべてを担い、開発を回すことを意味します。

開発したものが運用する

開発チームが運用まで担当することの価値は下記のように説明されています。

"開発したものが運用する"というアプローチでは、システムを開発するチームが運用とサポートにも責任を持つことでdevopsの原則を実践する。責任を外部化するのではなく開発チームに与えることで、ダイレクトなフィードバックループと共通のインセンティブを持つことができるのだ。

出典:Netflixにおけるフルサイクル開発者―開発したものが運用する より


devopsの原則を取り入れたソフトウェア開発ライフサイクル
出典:Netflixにおけるフルサイクル開発者―開発したものが運用する より

効率的にシステムを開発し運用するために、図のそれぞれの役割を分割し専門化するアプローチが一般的ですが、Netflixではその逆をいっています。

1つの役割に特化するのと比べてやることが多く対応の難易度も高くなるりますが、フルサイクル化によってソフトウェアのビジネス価値を顧客に迅速に届けることが出来ると考えています。

〇星野リゾートのサービスチーム

私自身はエンジニアとしてキャリアをスタートさせて、フルサイクルな働き方をしてきていますが、『フルサイクルエンジニア』という言葉を知ったのは最近でした。

そして、この言葉と意味を知った時に、星野リゾートのオペレーションを思い出しました。
というのも、『温泉の女将さんのマルチタスクは、海外ホテルにはまねできない?』という内容を目にした時に同じ考え方であると印象に残っていたからです。

星野リゾートのカルチャーの『サービスチーム』について下記の通り説明されています。

ホテル運営の業務を分業することなく、お客様のチェックインからチェックアウトまでの流れに沿って、一貫したサービスを提供する仕組みです。サービスを提供する現場で商品開発から商品提供を行うことに星野リゾートはこだわり続けています。なぜならば、顧客に近い社員だからこそ、日々の変化や隠れたニーズに気づくことができ、真のイノベーションが起こり得ると考えるからです。

星野リゾートの組織文化 より

また、こちらの記事も拝見し、サービスチームのマルチタスクによる弊害や面白さなどはまさに『フルサイクルエンジニア』と通じると感じました。


〇顧客に近いことが生む価値

フルサイクルの価値は『ソフトウェアのビジネス価値を顧客に迅速に届けることが出来る』ことです。

私はエンジニアとして要件定義から設計、実装、テスト、運用と、価値を提供するサイクル全体に関わっています。

顧客と直接やりとりをして要件の背後の課題や要求を伺い、その課題を解決する方法を提案しすり合わせたうえで実装します。顧客の近くにいるため顧客の課題をより解像度高く理解し最適な実現方法を提案することができ、運用まで対応するため、ただ作るだけでなくその先の運用を見据えた提案・設計・実装が可能です。

また、分業することで発生する待ち時間がないため、迅速に価値を提供することも可能です。

『顧客の近くにいることが生む価値』は星野リゾートのサービスチームでも同様に考えているかと思います。


ということで、フルサイクルエンジニアと星野リゾートのサービスチームとの共通点を感じたという話でした。

今後もフルサイクルエンジニアについて、自分の考えを掘り下げていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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