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【図書館での出会い】パン屋さんに行きたくなる。甲斐みのりさん著「日本全国 地元パン」

子どもが図書館で本を借りるのに付き合って、私も本を借りることが増えてきました。
普段買わないけど気になるジャンル。表紙が素敵で手に取った本。何となく借りたけどすごく勉強になったもの。色々あります。
せっかくなので、【図書館での出会い】と題して、読んだ記録とちょっとした感想を備忘録的な感じでつづっていこうかと思います。

さっそく、今回図書館で出会った本。
甲斐みのりさんの「日本全国 地元パン」です。

甲斐みのりさん著「日本全国 地元パン」

まず表紙に一目惚れ。パッケージに入ったパンがかわいくて・・・

この本には、日本全国の素敵なパンがぎゅぎゅっと集まっています。
著者のパン愛が伝わってくる、ほっこりとする1冊です。

日本全国のパン屋さんのパンをフルカラーで掲載

全国各地のパン屋さんの色鮮やかなパンがたくさん掲載されており、どのページをめくっても目を楽しませてくれます。
昔ながらの味わい深いパン、定番のパン、もう販売されていないパン、珍しいパンなど、本当にたくさんのパンたち。
パン屋さんのこだわりと愛情が感じられる商品ばかりでした。

また、同じ種類のパンでもそのパッケージの違いも楽しむことができます。
色合いやフォント、ロゴ、デザイン・・・昔ながらのパッケージ、ちょっとレトロな雰囲気は、長年作り続けて来られたパン屋さんの歴史すら感じることができました。

全国のパン屋さんすべてに自ら赴くことはできませんが、本をめくりながらまるで店頭でパンを選ぶような、今日の気分はこれだな、これ食べてみたいな、なんて楽しみながら一つひとつ眺めました。

「パン屋さんに行って、買う」という価値を再認識

この本に掲載されているのは全国の中のほんの一部のパン屋さん。
たくさんのパン屋さんが今日も美味しいパンを焼いて店頭に並べて、訪れた誰かが選んで楽しむのだろうなと考えると、何だか心が温かくなるような気持ちになりました。

お行儀よく並んだおいしそうなパンから好きなものを選び取る。
誰かへの手土産として、仕事のお昼休憩の楽しみとして、午後のおやつとして・・・いろんな人が、いろんな思いで1つのパンを選ぶ。
レジに行けば店主さんや店員さんが大切に包んでくれる。
店を出て、食べる時間が楽しみになる。
その時間が、とても尊いものだと改めて感じました。

今はスーパーやコンビニ、ドラッグストアなど身近なところでパンを買うことができます。
それはもちろん手軽で便利なことですが、この本を読んでいると自分自身「敢えてパン屋さんに足を運ぶこと」をもう長い間していないなぁと感じました。

お店の中の工房で一つひとつ丁寧に焼かれ、焼きたてのパンがお店に並ぶ。
そんな手作り感あふれるパンを、最近選べていなかったなぁと思います。

並ぶ「閉業」の文字

巻末のパン屋さんの地域別索引を眺めていると、「閉業」と書かれているお店が多いことに気づきます。取材時には営業していたけれど、時を経てお店を畳まれた、ということです。
創業が長いパン屋さんは後継者不足や高齢化、さまざまな理由で惜しまれながらお店を畳まれているようです。

それはつまり、そのお店の味をもう食べることができない、ということなんですよね。
そう考えると、一つひとつの出会いをより大切にしないとな、と感じました。

街にある小さなパン屋さん、商店街でひっそりと営業しているパン屋さんも、もしかしたらずっとある訳ではないのかもしれない。
今あるその味、その出会いを楽しめる時間は、限られているのかもしれない。今この時だけなのかもしれない。
歴史を彩ってきた数々のパン達を眺めながら、寂しさと儚さのようなものを感じました。

私は人見知りがゆえに、個人商店などに入るのがどちらかというと苦手なタイプで、スーパーなどで済ませがち。パン屋さんに限らず、どんな分野のお店でもです。カフェや雑貨屋さん、文房具屋さん、お菓子屋さん、お花屋さん、なかなか一人で入るには勇気がいって、冒険できていない。

それがもったいないことだなぁと実感してきました。
この本を読み終えた今この時だからこそ、行ったことのないお店に思い切って足を運んでみようかな、なんて思っています。

私もお気に入りのパン、見つけてみようかな!

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