眠れない夜に
深夜。
なかなか寝付けなかったので、とあるエッセイ(再読)していたときのこと。
下唇の下に紙を挟むという話が出てきて、すごい特技をお持ちなんだなぁと感心しながら読み進めているうちに、それがどういう状態なのか気になり出した。
写真でも動画でもなく文章で書かれていると、いろいろ想像できるから楽しい。
夏休みの宿題が読書感想文じゃなくて、印象に残った部分を絵に描くとか、本を読んだ感想をもっといろんな方法で表現できたら、きっと子供の頃から読書好きになっていただろう。
お恥ずかしい話なのですが…読書を好きになったのは大人になってずいぶん経ってからでございまして。
好きになって間もない時は、もっと早く読書の魅力に気づいていたら…と思っていたのが、今はむしろこのほうが良かったと思っている。何かを始めるのに遅すぎることはないからね。
上唇と下唇で紙を挟むと、結果紙をくわえる感じになるので、顔面と紙が垂直になる。
同様に下唇の下に紙を挟む時も垂直にするとなると、アゴを自在に操れるとかかな。うーん。
さらに読み進めていくと、10人中2人できたとのことなので、きっと別の方法があるに違いないと想像は膨らむばかり。
もう考えるだけでは物足りなくなり、ちょっとだけ試してみることにした。
手の届くところにしおりがあったので、下唇の下にしおりを巻きつけるような感じで挟んでみたら…できた。
しおりの紙が厚いから偶然できたのかもしれないと、次はレシートで試しても…これまたできた。
これまで特技らしい特技を持ち合わせていない人生を歩んできたので、自分でも驚いた。
これが持って生まれたものだとしたら、あとは努力しだいでなんかすごいことになるかもしれない。
そのためにはまずこれを何らかの形で披露することから始まることになるのだが、もともと写真や動画に撮られるのが苦手な性格なので、下唇の下に紙を挟んだ顔を晒すのが無理なことに気がついた。
そもそもこの変顔的な方法が正解なのかもわからない。
そこは別解ということでいいか。できたんだから。
できないと思っていたことができたということは、大きな収穫。
できなかったことよりできたことをカウントして、小さな自信を積み重ねていけば、きっと良い方向へ動き出す。
久しぶりにポジティブ・シンキングになったところへ眠気がやってきたので、そのまま朝までぐっすり眠った。