うたを読む/StarLighterさん
もういくつ寝るとお正月。すでに会社の新年会が楽しみな湖春です。
今日、評を書かせていただくのはStarLighterさんの歌です。
返せないままになってる本を開け少しあの日のあなたと話す/『 返 』
https://twitter.com/StarLighter31/status/1736749944370028625?t=cwAz9OWYNj3DHBEsfHLFTQ&s=19
ノスタルジックな景で、あるある!と共感大な歌です。
学生時代の思い出でしょうか、好きだった人もしくは気になっていた人から、何らかの理由で借りたままの本。返すタイミングが無かったのは何故だろう…と想像しただけでもう切ない。
「少し」が効いていると感じました。
この言葉から、主体と「あの日のあなた」の関係性というか、距離感が見える気がします。おそらく大恋愛・相思相愛の間柄では無かったのかな。淡い恋心を抱いていたのかも知れません。
喧嘩別れの可能性も思いつつ、私は「淡い系」の景を描きながら読みました。
諦めきれず、ずっと引きずっているほどの恋心ではない。でもいつもどこかに小さな棘のように「返せないまま」であることが残っている。
本を開いては、あの日のことを思い出し「少し」話す。そして、そっとページを閉じる。
主体はこれを何度も繰り返しているのではないかと感じました。ずっと大切にとっておきたい思い出だから、いつも「少し」で留めている。
ページをめくることで、恋をしていた「あの日のわたし」にも出会える。
この歌を何度も暗唱するうちに、ユーミンの名曲『卒業写真』を聴きたくなりました。