うたを読む/ZENMIさん
春の18切符がもう待ち遠しい湖春です。
今日はこちらの歌。
最終の電車に揺られてチェロ弾きとチェロは同じ角度で眠る/ZENMI
https://twitter.com/ZENMIN15/status/1743227463835283743?t=3zwQx4kspt1unVFAF22VSQ&s=19
チェロを電車内で見たことがないような気がします。あるいは視界には入っていても「それがチェロ」だと気づいていなかっただけの可能性もあります。
ギターでもバイオリンでもなく、少しマイナー感のある「チェロ」という楽器を出すあたりに意図を感じて、めっちゃ想像力を掻き立てられました。
私は楽器に疎いので調べてみたら、チェロは結構大型なんですね。この楽器を運ぶのなら、主体は男性かも知れません。
終電まで練習だったのか、もしくは演奏会だったのか。
私は「演奏会のあと」ではないか?と読みました。
傍から見て角度があると分かるくらいなので、かなりお疲れなんだろうな…きっと大切なチェロと離れないようにして、そのまま一緒に角度がついてしまった光景が浮かびます。
「同じ角度」という描写から見える主体とチェロの一体感が素敵で、きっと今日はいい時間を共にしたのだろうと思いました。
何だか満足そうな、柔らかい笑みを浮かべた寝顔のような気がしました。
演奏会の余韻を抱いたまま、降りる駅を過ぎてそのまま星空を走っていきそうな幻想的な世界を、私は描きました。
小道具が効果的に置かれていると感じましたし、美しく絵画のような景が浮かぶ歌で、とても印象的でした。
一緒に目を閉じてしまいそうなほど、歌の世界に吸い込まれます。