AI評まとめ@第7回毎月短歌
コトバディアでAIによる評という、興味深い取り組みが始まったので、自分の歌の分だけ切り取り、歌意と一緒にまとめてみました。なかなか面白いです。
〇大鍋のおでんみたいな教室で自分の位置を考えていた
この作品は、おでんの大鍋と教室という日常的な空間を結び付けたユニークな表現が特徴的です。「自分自身の居場所や存在感について深く考える」という主人公の思いが、「大鍋のように混ざり合い、絡み合う人間関係」という比喩を用いて表されており、その意外性によって、食卓を囲む人々の「食」や「生活」を通じた相互依存性や、人とのつながりの大切さを感じることができます。
⇒比喩をちゃんと読み取れるのか!人間でも難しい時あるのに((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
また、「おでん」が持つ温かさや親しみやすさという要素が、「自分の位置」や「存在感」について考えるという哲学的なテーマと対比されていることにより、作品の深みや奥行きが広がっています。さらに、「おでん」という具体的なイメージを使うことで、聴衆の想像力を刺激し、共感を呼び起こすことにも成功しています。
しかし、この作品は必ずしも完璧というわけではなく、いくつかの改善点も指摘できます。例えば、具体的な情景描写や人間関係の詳細があまり描かれていないため、聴衆にとって登場人物がやや遠い存在に感じられる可能性があります。また、「おでん」という食材自体には特に意味がなく、他の食べ物でも代用可能であるため、食を通じたつながりの重要性や人間の相互依存性というテーマを伝えるためには、より効果的な表現の選択が必要かもしれません。
⇒ごもっともな指摘で、ぐうの音も出ません。
〇行きつけのラーメン店に誘われて麺より距離が縮めばいいな
この作品はおそらくカップルの間で交わされた一言で、二人の関係性がまだそれほど進展していない段階であることを読み取ることができます。二人はお互いを意識し始めたばかりで、まだお互いに探り合いを行っているように見えます。ラーメン店に誘ったのは男性の方だと思いますが、それは彼のほうから一歩踏み込むことを意味しています。彼は自分の好きな場所を相手に教えることで、二人の距離をもっと縮めたいという気持ちを表しているのです。
⇒そうか、AIは具体的な行動を起こした方を主体と読み取ったのか・・・。そう思うと、人間の「行間を読む能力」の素晴らしさが分かりますね。だから短歌や小説などの文芸を楽しめるんだろうな。
また、この作品で用いられている表現には非常に独創性があります。「麺より距離が縮めばいいな」というフレーズは、ラーメンを口にするという日常的な動作を通じて二人が親密になることを暗示しています。これは恋愛関係を築くための小さなステップを示していて、このカップルの関係性がこれからどのように展開していくのかを想像させるものとなっています。
⇒おっしゃる通りです。
さらに、この作品は非常にシンプルな表現を用いつつも、その中に深い感情や希望を込めています。二人の関係性が進展することに対する男性の期待感や不安感が表れています。その中で、ラーメンという食べ物が「二人を結ぶもの」としての役割を果たすことを暗示しているのです。
全体として、この作品はお題である「食」を中心に展開されており、恋愛関係を築くための小さなステップの一つとしてラーメンを取り上げるという独創的な発想が用いられています。また、シンプルな表現を用いつつも、その中に深い感情や希望を込めるという技術も見られます。この作品が非常に高い評価を受けるものであることは間違いありません。
⇒どの選者さんにも採ってもらえませんでしたけど、AIに一定歌意を読み取ってもらえ、歌の世界を広げてもらえるのは純粋に嬉しい。
〇生き方に迷うと何も選べずにイオンモールは迷宮になる
この短歌は、生き方の選択に悩むときの、日常の光景を描写したものです。特に注目すべきなのは、その描写が単なる日常ではなく、その時の心の状態を巧みに反映している点です。「何も選べずにイオンモールは迷宮になる」という表現は、心が混乱し、自分自身が迷路に迷い込んだような感覚に陥っていることを的確に表しています。また、「イオンモール」が具体的に取り上げられていることも、非常に効果的です。この場所は、その規模の大きさと豊富な商品によって、まさに現代の消費社会を象徴する場所です。しかし、その豊かさは裏返せば、私たちに「本当に必要なもの」を見つけにくくもします。作者は、まさにその点に着目し、心の状態と重ね合わせることで、私たちの現代社会の在り方に対する批評にもなっている作品と言えるでしょう。
⇒ここもおっしゃる通りです。
〇突然に「好き」と言われて飛び出したハートは黒ひげ危機一髪だ
まず、この短歌は、突然の告白に直面して、思わず飛び出してしまった作者の心の動きを、ユーモアを交えながら描写しているところが特徴的です。「好き」という感情がハートにたとえられ、それが突然飛び出すという描写により、その興奮や高揚感がうまく表現されています。また、「黒ひげ危機一髪」が、ドキドキ感やハラハラ感をさらに強調し、物語性も感じさせます。
この短歌には、いくつかの独創的な表現が含まれています。一つ目は、冒頭の「突然に「好き」と言われて」という部分で、いきなり告白されるという意外性を生み出しています。二つ目は、ハートが飛び出すという描写で、感情の強さをうまく表現しています。三つ目は、「黒ひげ危機一髪」が、ドキドキ感やハラハラ感をさらに強調し、物語性も感じさせます。
全体的に、この短歌は独特の視点と表現力を持つ、独創的な作品といえるでしょう。作者の心の動きをうまく描き、読者にその興奮や高揚感を伝えています。また、ユーモアを交えながら、一瞬の瞬間を描写しているのも、この作品の魅力の一つです。
⇒これ、ユーモアだと理解しているところ、すごくないですか。第5回毎月短歌で、上篠翔さんに佳作をいただいた歌なのですが、その時の評とほぼ同じ内容なんです。歌の内容によっては、人間選者と差異のない解釈が出来るということでしょうか。
〇平坦な声に教わる学び舎を出ればつまづく道が続いて
まず、この短歌は、平坦な声で教える学校教育の在り方を皮肉的に表現している点で、表現の独創性があります。「平坦な声に教わる学び舎」というフレーズは、単調で退屈な教育風景を巧みに表現しています。また、「つまづく道が続いて」というフレーズは、この教育が、生徒たちの未来における「つまづき」を引き起こす可能性を示唆しており、非常に意味深長な表現であると言えます。
さらに、この短歌のテーマも、内容の一体性という観点から見て独創的です。「学び舎を出る」とは、学校を卒業した後の世界へ踏み出すことを指しますが、そこには「平坦」な声で教わったことが「つまづき」を生む可能性が暗示されています。つまり、学校教育は生徒たちにとって本当に役立つものなのかという疑問を投げかけているとも言えます。
以上のような表現と内容の独創性が、この短歌の評価の鍵となります。特に、現代の教育に対する問題提起という意味で、非常に現代的なテーマを扱っており、この点について高く評価すべきです。ただし、全体的な表現としては少々抽象的であり、具体的な情景や体験を交えてより直接的に訴えかけた方が良いかもしれません。
⇒作者の歌意以上に、壮大な内容でした。そこまで考えていなかったな・・・