ハニワが「理想の日本人」!?「ハニワと土偶の近代」に行ってきた話(前編)
「ハニワって、理想の日本人とされてたの!?」
前回お話したようにモチベーションが復活した私。
その勢いで「ハニワと土偶の近代」展に行ってきた。
お目当ては土偶だったのだが……ハニワって奥深い!と、すっかりハニワの魅力に取りつかれてしまった。
「東京国立近代美術館って、皇居の近くにあるんや~」
縄文ねえさんは、美術館に向かう道も楽しむことを忘れない精神(もったいない精神)。
「うわ、門くぐれるわ~」
清水門(後から門の名前を知った)の近くの蓮を眺めたり、「もう紅葉の季節やな」とか言って、紅葉を楽しみながらノロノロと到着。
タイミングよく、「ハニワと土偶の近代|『ハニワシネマ』上映会+アフタートーク」というイベントが開催されていたので、流れるように参加。
結論から言うと、先に上映会に参加してよかった。歴史博物館や美術館は、予習して鑑賞すると100倍楽しめる。恥ずかしながら、ハニワ関連については不勉強だった私も、身をもって予習の大切さを知った。
さて、「ハニワシネマ」上映会+アフタートークについて。
まずは「古代の美」と「埴輪の復元」の2作品を鑑賞。
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(個人の感想)
オープニングが印象的。遺跡から実際の縄文の生活を再現した映像に切り替わるのだが、終始マイナーコードの物悲しげな音楽が響く。「これから何かサスペンスが起きるの!?」と思わせておいて、土偶のシルエットがどーーーん!!
土偶からハニワに切り替わると、ハニワの顔のドアップがどーーーん!!
最後は本物のハニワでジオラマにしている(なんて贅沢なんだ!)
鑑賞しているうちに、埴輪がまるで感情を持った生き物のように見えてくる。不思議だ。土門拳氏の作品を彷彿とさせる。
(個人の感想)
「またマイナーコードかーい!」と、またもや不穏な音楽が流れる中、松原氏が登場。東京国立博物館の裏側を見られて得した気分も束の間、松原氏が作業に取り掛かる。
まずは遺物の泥を落とす。(え、なんか水浴びができそうなくらい広い水汲み場が室内に!?)
次に分類、「長年の勘でやってる」というナレーション。(え、勘なの?勘でいいの?)
そして、これが何かを予想。(今回は「家」だそうだ)
ひと段落したら、家に持って帰っている。(家に持って帰っていいの?しかも、家も埴輪だらけ!)。
そうこうしているうちに、松原氏は長年の経験から埴輪の焼きムラをヒントに、漆と小麦粉で組み立てていく。(これも経験頼り!?専門家の方とか呼ばないの?)
欠けているところは石膏とセメントで補い、補った部分はわかるように色を変えている。(なるほど、飾られている埴輪の色が違う理由はこれか)
いろいろ心の中でツッコミが出てきてしまったが、この方がよく目にする人物埴輪を多く復元された方。松原氏なしでは、埴輪を見ることができなかったかもしれない。
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「記録映画ってこんなに面白いのか」と余韻に浸っていると、アフタートークが始まった。
「え、今声出して笑った!?」と、自分でもびっくりするほど、本展企画者の花井久穂氏と東京国立近代美術館主任研究員の成相肇氏のトークがとにかく面白い。
ここでトークで面白かったトピックを紹介。
(1)埴輪 子を背負う女子
記録映画では、夕焼けを眺める母と子とほのぼのとした風景をバックに紹介されていた。しかーし、戦時中では「亡くなった我が子を想って創った」と紹介されていたらしい。埴輪の表情は、文脈によって見方が変わる。不思議なものだ。
(2)松原氏のお言葉
松原氏が執筆した本の中で、こんなことが書かれていたらしい(おそらく『埴輪』という本に……)。
松原氏ーーーー!!古代と通じ合っている。すっかり松原氏の虜になってしまった。
「ハニワって、理想の日本人とされてたの!?」という話は後半で。(引っ張ってごめんなさい。書く力がつきました)