文化財の未来とは?『XRミートアップ奈良 文化財 × XR』に参加してきた。
「学会でもただの展示でもない、ミートアップなんです。ここでいる人たちと交流しましょう」
主催の宣言によって開幕したXRミートアップは、文化財の枠にとどまらず未来を先取りしたような会だった。
恥ずかしながら、そもそも「XR」ってなんやねんっていうくらいの知識で参加したわたしも、終わりの頃にはもっと「XR」を活用していかなければならないという想いに掻き立てられた。
今回、石棒クラブの一員として参加した。
展示内容は、「AR展示解説多言語対応」と歴史フェスに引き続き「石棒神経衰弱」の体験会だ。
普段、一般会社員であるわたしはMeetingなどで学芸員さんのお悩みを聞く。
たとえば、パネル。
博物館でよく見かけるパネル。
というか、あるのが当たり前だと思っている解説パネル。
実は1枚1枚は手作り(博物館によるが)、当たり前だが費用もかかる。
展示内容が変わるたびに、設置したパネルを取り外し、新しいパネルを作り、また設置する。
結構大変だ。
でも、AR展示解説があればパネルが作り放題だ!
展示内容が変わったとしても問題ないことはもちろんのこと、多言語対応できるから海外の方に対しても優しい。
もっといえば、「1枚のパネルだけだけに解説おさまらへん!もっと伝えたい」みたいな学芸員さんがいたとしても解説欲を満たせるってことではないか。
すばらしい。
「XRは体験だけと思われていますが、記録→保管→公開のプロセスを経て体験があるんです」
野口淳先生の「XRとの出会いは文化財に何を持たさすのか」の講演のなかで印象的だった言葉があった。
「オンライン上で公開したら、実際に博物館にこなくなるのではないか、という声がある。そんなことはない。まず公開しないも見つけてもらえない。公開しないと、存在を知ってもらえないのです」
実際に自分がどこかの博物館に行こうと思う動機って知っているかどうかが重要だ。
STYLYさんのブースにあるVRゴーグルを装着してみたが
まるで目の前に文化財があるようだった。
いっちーさんのブースでは、目の前に文化財があるだけでなく手を認識してるから実際に触れられて構造を細かく見ることができる。
「え、実際はどうなってるんやろう」
XRで体験することでより一層、文化財と対峙して体感したいと思った。
ちなみにオンライン公開という点では大網白戸市では、建物としての博物館を構えずオンラインだけで公開してる博物館をオープンしているそうだ。
大網白里市デジタル博物館の登録博物館認定について【全国初の事例!】▼
今後、オンラインとオフラインの垣根はどんどんなくなっていく世の中になっていくだろう。
そのときに文化財に関わる一人としてなにができるか。
世の中の流れに置いていかれないように常に考えていきたい。