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その情報、本当に真実?SNSで蔓延るプロパガンダ
「プロパガンダ」って聞くと、なんだか遠い世界の話のように感じませんか? 第二次世界大戦のドイツとか、歴史の教科書に出てくるようなイメージかもしれません。
でも実は、プロパガンダは今、私たちが毎日使っているSNSの中に、巧妙に紛れ込んでいます。そして、意識しないうちに、その影響を受けている可能性があります。
少しだけ紹介していきたいと思います。
感情に訴えかける
プロパガンダの常套手段は、理性ではなく感情に訴えかけることです。
例えば、以下のような投稿を見たことはありませんか?
「〇〇産の野菜は農薬まみれで危険! ☠️ 絶対に買わないで!」 (恐怖を煽る)
「この犬、保健所で殺処分される寸前だったんです… 😢 拡散して命を救って!」 (同情心を誘う)
「〇〇党の政策は日本を滅ぼす! 😡 今すぐ阻止しなければ!」 (怒りを煽る)
これらの投稿は、感情を揺さぶることで、冷静な判断を鈍らせようとしています。
大切なのは、「本当にそうなのか?」 と一度立ち止まって考えること。感情的にならずに、客観的な情報源 (政府機関の発表、専門家の意見など) を確認するようにしましょう。
権威に頼る!
「〇〇大学教授が推奨!」「〇〇大臣も愛用!」「医師が開発!」といった言葉も、よく見かけるプロパガンダの手口です。
権威のある人物や肩書きを利用することで、情報の信憑性を高めようとしています。
しかし、権威があるからといって、必ずしも情報が正しいとは限りません。
例えば、ある健康食品の広告で、「〇〇大学医学部教授 監修」と書かれていたとします。しかし、よく調べてみると、その教授は医学部の中でも専門分野が全く異なり、健康食品に関しては素人同然だった、というケースも考えられます。
大切なのは、「その情報は本当に専門家の意見なのか?」「他に反対意見はないのか?」 と疑ってみること。複数の情報源を比較検討し、偏りのない情報を得るように心がけましょう。
みんなが言ってるから!
「みんな使ってる!」「ランキング1位!」「SNSで話題沸騰!」といった言葉も、注意が必要です。
これは、バンドワゴン効果と呼ばれる心理効果を利用したもので、多くの人が支持しているように見せかけることで、自分も同じように行動するように仕向けようとしています。
例えば、ある商品の広告で、「SNSで話題沸騰! みんな使ってる!」と書かれていたとします。しかし、実際にSNSで検索してみると、広告ばかりで、本当に使っている人の口コミはほとんど見つからない、というケースも考えられます。
大切なのは、「本当にみんな使っているのか?」「口コミは信用できるのか?」 と疑ってみること。実際に使っている人のレビューや評価を参考にしたり、商品の欠点やリスクについても調べてみることが重要です。
印象操作!
写真や動画を加工したり、一部の情報だけを切り取って伝えることで、事実を歪曲するのも、プロパガンダの常套手段です。
例えば、ある政治家の演説の動画で、聴衆がまばらな部分だけを切り取って、「〇〇さんの演説は人気がない!」と印象操作したり、商品のビフォーアフターの写真で、アフターの写真だけを加工して、「〇〇を使えばこんなに綺麗になる!」と誇大広告したりするケースがあります。
さて、そんな情報が大量にはこびる現代で。
おそらく人間は歴史上一番多く情報にさらされていると思います。
そもそも30年前ですら今のように自由にインターネットで発信するということもできませんでした。
いままで新聞、テレビ、ラジオくらいしかなかった我々が24時間365日、新しい情報にさらされ続けています。
どうやらこういった情報に対して、正確に見分けるようにはわれわれ人間の脳はできていないようです。
少し心理学の本を調べても認知バイアスが強すぎて、「これ無理じゃない?」となっています。データで反論しても、もともと反対している人には逆効果にしかなりません。
こういったことが気になる方は『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』という本を読まれると何か気づきがあると思います。
いい具合に調整しながら生きていきたいですね。