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インターネットは情報の宝庫から、ごみデータの海へ。

かつて、インターネットは無限の知識が詰まった宝庫のような場所でした。
始めてパソコンでインターネットに接続して、利用し始めたころ、本当にそう感じました。
知りたいことが書いてある、やろうと思った事を誰かがやってくれている。書いている方も「この情報を他の人にも知ってほしい」そういった目的で書いている人が多かったように思います。

たとえば、「どの真空タンブラーが一番いいのかな?」と検索すれば、個人が実際に試してみたレビューが見つかり、その人の実際の体験に基づく意見を参考にすることが出来ました。
「実際にやってみた」みたいな例ですね。
気温や使用環境に応じた保温性能の違い、デザインや使い勝手など、詳細な情報が載っていて、商品を選ぶ際に参考にできる情報だったと思います。

しかし、時代が進むにつれ、状況は一変しました。

いまや検索すると、上位に表示されるのはほとんどがアフィリエイト目的のブログ。実体験に基づく情報は少なく、使い回された写真やコピーされた文章ばかりが並び、ごみ情報は増えましたが、「情報量」としては何も増えていません。

真空タンブラーの例でいうと、「おすすめ真空タンブラーランキング!」といった記事が並び、内容を確認すると、他サイトから転用された写真や文章ばかり。実際にその商品を使った形跡もなく、レビューを読んでも、何がどう良いのか、どれが自分に合うのかの判断基準としては全く利用することが出来ません。

このようになった背景としては、インターネットが大衆化し、情報発信が誰でも簡単にできるようになったことに一因があります。
特にアフィリエイトを通じて収益を得ることが主流となり、「いかに多くの人に見てもらうか」という競争が過熱しました。その結果、実際の経験に基づいた内容ではなく、他サイトから引っ張ってきた情報を並べるだけのブログが氾濫するようになったのです。

以前のインターネットでは、情報は「共有する」ために存在していました。
個人が自分の経験や知識を他人と分かち合い、役に立ててもらうことが目的でした。
「おもしろいもの見つけた!」「これ、他の人のやくにたつんじゃない?」「これハマって大変だったから、ほかの人気を付けて!」といった意図が見える個人ブログが多くありました。
しかし、今や情報は「収益化する」ための手段となり、価値ある知識や体験が埋もれてしまっています。

価値がないどころか、「嘘」の情報も含まれています。

世間ではChatGPTは嘘をつくなどと言ったりしますが、こちらの方がよっぽど深刻だと思うのですが、いかがでしょうか。

インターネットは今や、無限の情報を持つ宝庫から、無数の価値のないデータが溢れる海へと変貌しつつあります。

そして、現在の状況を見るに、これが改善されることは残念ながら無さそうかなと思っています。

これからはインターネットの検索というのすら時代遅れで、「きちんとした情報を確認するには本屋さんに行く」という時代が来てもおかしくないのかなと思っています。

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