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皆さん、日経新聞にバカにされているかもしれませんよ
先日、こんなニュースを目にしました。
「黒字のメドなし」 OpenAI、1兆円調達も出口無き消耗戦
この記事を読んで、「やっぱりOpenAIって危ないのかな……」って思った人もいるかもしれません。また、新しい技術をけぎらっている人は「ほら、やっぱり。新しい生成AIなんて実態のないまやかしだ!」といった感情を揺さぶろうと思っているのかと思います。
記事では、OpenAIが巨額の資金調達をしているにも関わらず、黒字化の見通しが立っていないことを強調しています。まるで、「こんなにカネかけてるのに全然儲かってないじゃん!」と言わんばかりの論調です。
でも、当たり前の話ではあるのですが、会社が黒字にならないからといって、即座に潰れるわけではありません。
ここで、皆さんもよくご存知のAmazonを例に挙げてみましょう。
Amazonは、ECサイトとしてスタートした後も、積極的に新しい分野に投資を続けました。クラウドサービスのAWS(Amazon Web Services)はその代表例です。AWSは現在、Amazonの収益の柱となっていますが、初期の頃は多額の投資が必要で、必ずしもすぐに利益に繋がっていたわけではありません。
一時的に赤字になることもありました。しかし、Amazonは将来の成長を見据えて投資を続けた結果、現在のような巨大企業へと成長を遂げたのです。
こういったことは枚挙に暇がないと思います。
OpenAIも同様に、ChatGPTのような革新的な技術を開発・発展させるためには、多大な研究開発費がかかります。今は利益が出ていなくても、将来的に大きな収益を生み出す可能性を秘めているのです。
また、そのために投資家からお金を集めることもできます。
身近な例だと、まだ小学生の子供が、将来のために塾に通ったり、習い事をしたりするのと同じようなものです。
こういったことに対して「「黒字のメドなし」 中学1年の息子、塾に毎月2万円投資も黒字の見込み無し。今後5年は出口無き消耗戦」といった記事を書いたところで「何を言ってるんだ?」と言う話ですよね。
今は学費がかかりますが、将来、良い大学に入ったり、才能を開花させたりすることで、より大きな成果を得られる可能性があるなんて言うまでもありません。
では、日経新聞のような大手メディアが、このような一面的とも言える記事を掲載するのでしょうか?
記事の筆者も、Amazonの例を知らないはずはありません。それでもこのような記事を書くのは、そんなことも知らない人間を釣るためだと思っています。
どうしても、巨大なもの、話題のものに対しては、良いニュースよりも悪いニュースの方が注目を集めやすい傾向があります。「OpenAI、実はヤバい?」といった類のニュースは、不安を煽り、人々の好奇心を刺激するため、PVを稼ぎやすいのです。
案の定、この記事のコメント欄や、Yahoo!ニュースのコメント欄などでは、様々な意見が飛び交っています。中には、あたかも自分だけが真実を知っているかのように語る“ネット論客”のような人も現れます。「ほら、だから虚業だろ」と言ったことも2025年にもなっているのが驚きです。
もちろん、OpenAIが今後どうなるかは誰にも分かりません。しかし、短絡的に「黒字化できない=失敗」と決めつけるのは早計ですし、そういったことを記事のなかで触れないのも、知識のない人を釣って、感情を躍らせてPVを稼ぐためだけのくだらない記事ですし、こういった記事ばかり書くのであれば、それこそ虚業なのかなと思います。
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また、最近電車の中にこういった広告が出来ていますが、過去電子版もとっていましたが、私の中に「新聞読んでいる」=「エリート」という意識が全くないので、なんとなく気持ち悪い広告だなぁと私は思います。