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ベーシック・インカムについて思う事。

少し前に「ベーシック・インカム」は素晴らしい最高の制度!といった旨のコメントをいただいたので、描いてみようと思います。

近年、ベーシック・インカムの導入を支持する声が高まっており、多くの人々がこの制度を理想的だと感じているようです。
特に、「大部分の人がいやいや仕事をしているのだから、ベーシック・インカムがあれば幸せになれるのではないか」と考える人もいます。

私自身、以前はベーシック・インカムに賛成でした。
ただ、最近は少しずつ反対に考えが変わっています。

仕事の意義を軽視する可能性

仕事は単なる収入を得る手段ではなく、自己実現や社会的な繋がりを築く場でもあります。ベーシック・インカムが導入されると、働かなくても生活が保障されるため、一部の人々は仕事を避けるようになるかもしれません。その結果、仕事を通じて得られる満足感や達成感を失う危険性があります。社会における役割を持つことの重要性を軽視することは、個人の成長や社会全体の活力を削ぐことになるでしょう。

経済の持続可能性に疑問

ベーシック・インカムを全国規模で実施するには、莫大な財源が必要です。この制度の財源をどのように確保するかが問題となります。税金の大幅な増加が避けられない場合、特に中間層や高所得者層に対する負担が増えることが懸念されます。経済的なインセンティブが失われると、起業や新技術の開発が減少し、経済の停滞を招く可能性もあります。

社会的な不平等の拡大

ベーシック・インカムが導入されることで、既に富を持っている人々と、そうでない人々の間の不平等が増す可能性があります。働かなくても収入があることで、裕福な人々はさらに資産を増やす機会を持つ一方、ベーシック・インカムに頼る層はその額に依存することになりがちです。社会的な階層の固定化を防ぐためにも、働くことによる自己実現の機会を奪わない制度設計が必要です。

労働意欲の減退

人々が働く動機には、収入を得ることだけでなく、社会的な認識や自己実現の追求が含まれています。しかし、ベーシック・インカムが導入されることで、働かなくても生活が成り立つという安心感から、労働意欲が減退する可能性があります。特に若者世代が働くことに価値を見いだせなくなると、社会の活力が失われる恐れがあります。

創作・自己実現に対しての疑問

色々述べてきましたが、これが一番大きな理由です。
ベーシック・インカムがあれば、収入に対しての不安感が無くなり、安心して創作や自己実現に時間を使うことが出来るというキャッチフレーズに私は惹かれました。
私自身は作りたいものがたくさんあります。ただ、給与を稼がないと生活できない以上作りたいものばかり作っても居られません。
また、創作をするにあたって安定した収入は本当に大切です。明日の食費が不安な状態で自由な創作が出来る人は本当に限られているでしょう。
しかし、世の中の人は創作をしたい、自己実現をしたいと思っている人は思ったより少ないようです。食費だけ配給されてただ生きるだけの未来に私は希望を持てませんし、素晴らしいとは言えません。

結論

ベーシック・インカムには一見すると魅力的な側面がありますが、実際には多くの課題が存在します。仕事の意義を尊重し、社会全体の持続可能な成長を目指すためには、単に生活費を保障するだけでなく、人々が働きたいと思うような社会を作ることが重要なのかなと思います。

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