全員参加の会議や「全員サッカー」運営に思うこと
企業や組織の運営方針として、「全員サッカー」のような概念があります。
これは、全員が会議や意思決定に参加し、組織全体で主体的に活動しようというものです。なぜ「サッカー」なのかという疑問もありますが、まぁバレーや野球ではなくサッカーが選ばれる理由は、単に参加人数が多く、世界的にメジャーだからといった理由に過ぎない……とは思うのですが、本当になんで「全員サッカー」っていうんですかね?
まぁ、こういった概念は一見すると、全員が組織の方針に口出しでき、意思決定に参加できるというのは良い組織のように思えます。
ただ、私はこの考え方にはあまり賛同していません。
その理由の一つは、こうした全員参加の運営が行われる組織がうまくいっていない場合が多いからだと思っています。
組織には、最終的に決定を下す人が必要です。1人の会議でも、10人の会議でも、100人の会議でも、最終的な決定権を持つのは基本的に一人です。たとえば、共同創業者3人の多数決で決めるというケースもありますが、大半の場合は一人が最終的な決定を下します。
全員参加や全員で決めるという方針は、様々な意見を聴くことが目的ではなく、意思決定者に対する信頼が欠けている場合も多いのではないでしょうか。このような状況では、組織が効率的に機能するのは難しくなります。
組織の運営においては、全員の意見を聞くことは重要ですが、最終的には決定権を持つリーダーが必要です。全員参加の会議が多くなり過ぎると、意思決定が遅れたり、無駄な時間が増えることが避けられません。信頼できるリーダーが明確に存在し、そのリーダーが適切な判断を下すことで、組織はより効果的に運営されると考えています。
宗教の教祖、とまではいきませんが、社長が決めた方針には全員で向き合うべきですし、部長が決定した内容には部員は全力を尽くすべきです。
そうでないと「組織」として成り立ちませんし、そうでない組織には所属するべきではないと思っています。気に食わないなら転職や部署の配置換えを希望する方が健全です。
全員の意見を尊重しつつも、リーダーが適切な判断を下せる体制を築くことが重要なのかなと思います。