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大学は「とりあえず」進学したほうがいいのか?ということについて

これに対しての私の回答は「やりたいことがない人」や「能力があまり高いと自分で思っていない人」は「とりあえず大学卒業しよう」です。

前提として、「やりたいことがある人はそれをしよう」です。
就職して働きたい人は働けばいいですし、大学にいって勉強をしたい人は進学すればいいでしょう。「大学生という肩書で4年間ふらふらしたい」これも立派な「やりたいこと」です。
その人がやりたいことに良いも悪いもありません。その人じゃないのだから他人の価値観の押しつけは良くないですよね。
やりたいことがあるならすればいい。YouTuberでもバンドマンでも起業するでもなんでもよいです。

ただ「とりあえず」というからには特にやりたいことがない人でしょう。

やりたいことがないから「とりあえず」大学に行く
やりたいことがないから「とりあえず」就職する
やりたいことがないから「とりあえず」フリーターになる

そんな人が対象です。

この場合、私個人の意見としては奨学金という名の借金をしてでもとりあえず「大学に行って卒業しておけ」です。

よく「大学に行っても勉強をしないし4年間無駄にする」という意見を聞きますが、これは違います。
大学に行って得られるものは「大学を卒業した」と履歴書に書けることです。勉強をしたか、していないかはどうでもいいです。サークルやゼミも極端どうでもいいです。

「大学を卒業した」と履歴書に書ける

これ日本で働いていくうえではとても大切です。

権威主義や、就活システムに文句を言うことはいくらでもできますし、5年後、10年後はわからないですが、少なくとも現時点ではとても大切です。

「大学を卒業した」と履歴書に書けないと働けない職種がたくさんあります。

大学進学を迷うときは高校生くらいが多いと思います。高校生で正直やりたい仕事を明確にイメージできている人は稀だと思います。
まずそもそもどんな仕事があるかも知らないですしね。
ただ、将来どのみち働くことになります。
そして、もう少し年齢を重ねた後に「この仕事やりたいな」と思っても「高卒」だとそもそも受け付けてもらえない会社、職業がたくさんあります。

違いは学力とか能力とかではないです。
ただ履歴書に「○○大学卒業」とあるかないかです。

これが正しいか正しくないかといった正当性はさておき、事実としてそうです。

例えば転職サイトとか試しに登録してみて下さい。
当然のように卒業大学を入れるフォームが入力必須の項目としてあります。

ここに卒業した大学を入力できない人はどうするか、高卒専用の転職サイトで転職活動する必要があります。

「○○大学卒業」と書けない時点で能力を見せる場に立つことすらできません。

そして、大学の学費は高いという人もいます。
これも正直そんなことはないです。

私立の4年生の大学、例えば日本大学の文系の学費を見てみましょう(特に日大でなくてもいいです。人数が多いのと有名かな…?という理由です)。
https://www.nihon-u.ac.jp/campuslife/expenses/school_expenses/

大体初年度が130万円、2年次以降が100万円くらいでしょうか。
それ以外に教科書とか教材とかも買ったりイベントもあるかもしれないので大体年間150万円くらいとしましょう(生活費は大学進学でも就職でも生きている以上かかるのでいったん無視します。学食があるので大学のほうが安いかも?)

4年合計で600万円ですね。

では大学に進学しないで働いた場合、19-23歳を働いたとしましょう。

国税庁が2019年9月に発表した「民間給与実態統計調査」によると、20代前半の平均給与は男性284万円、女性で249万円となっているとのことです。

4年間で1100万円くらい稼げますね。
ここで23歳の時点で大学に行った人は-600万円、働いた人は1100万円なので1700万円の差がついています。

でも、これ結構簡単にひっくり返っちゃいます。

厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/13.pdf

この8ページ目に学歴別にみた賃金という内容があります。

学歴別に賃金をみると、男女計では、高校 271.5 千円、専門学校 288.4 千円、高専・短大 289.2千円、大学 359.5 千円、大学院 454.1 千円となっている。
とのことです。

平均なので必ずしもこれがすべてとは言わないですが、参考にはなるでしょう。
高卒だと271万円。大卒だと359万円なので毎年88万円差が付きます。
本当に単純計算ですが、88万円で20年働くとひっくり返ります。
定年退職するのが大体60-70歳くらいだとして、40年くらいは働きますよね。
大卒というだけで40年働くとはじめ-1700万円でスタートしても終わるころには1700万円多く稼げます。

何が違うか。
履歴書に「○○大学卒」と書けるかどうかです。

この○○には優秀であれば越したことは無いと思いますが、別にどこの大学でもよいです。

というのも給与高い=有名企業は「4年生の大学卒業」が募集要項だからです。
足切りなどもあるとは思いますが(○○大学以上の学歴がないと履歴書の時点で落とされる)、だいぶ数も少なくなってきていると聞きますし、そもそも履歴書を出せないよりもマシでしょう。

履歴書を出す権利を「とりあえず」大学を卒業するだけで得ることができるのだから安いものです。

生涯年収も当然大事ですが、大学を「とりあえず」卒業しておいた方が選択肢が広がります。後からやりたいとなった時に卒業しておいた方が得することが多いです。

その権利が4年間遊んで手に入るなら利用しない手は無いでしょう。

もう定員割れして大学進学率も高くなり、大卒という価値は昔に比べると落ちているかもしれないですし、未来のことはわからないですが、それでも「4大卒以上」が条件になっている企業だらけです。
4年後はそういった企業は無くなっている!高卒でも自由に転職できるようになっている!という夢を見るのは自由ですが、いささか楽観主義すぎるでしょう。

「若いうちの4年間がもったいない!もっと若いうちに成長しないと!」といった意識の高いというか能力の高い方はそうだと思いますが、特にやりたいことがなく、能力が高くない人は「とりあえず」大学を卒業して、履歴書に「○○大学卒業」と書けるようにした方が得なのかなと思います。

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