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[詩]空に梯子を架ける人

空に梯子を架ける人


ある晩、空に梯子を架ける人が云った

「何かが起きそうな晩……
 たとえ起きても起きなくても、
 ”起きそうな”というのがいいのだ」

「なるほど、届いても届かなくても、
 ”届きそうな”というのがいいのですね」

したり顔で、ぼくがそうこたえると、
すでにその人は空の梯子をのぼっていた

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