好きな人が好きだった人にならない ASDの恋愛作法4
告白してフラれたからと言って、すぐに「好きな人」が「好きだった人」になるわけではない。
何せ交際相手がいるのをわかったうえで好きになったのだから。
週5で顔を合わせて雑談していたら、一向に気持ちが冷めていないのに気づいた。
彼女の近くに座って誰かが彼女と楽しく話しているのを見ると、妬みや惨めさを感じる。
二人で話すときはのびのび話せるのに、大勢がいる場だと頑くなってしまう。
二人のときは冗談や楽しいことも言えるのに大勢の場だとできない。
彼女に見せる顔を大して親しくない人にまで見せたくないと感じているのだろうか。
そばにいると余計しんどいのだとわかった。考えることが増えすぎて。
体調を安定させるのが一番の目標。
彼女を自分の特別な人から職場で顔を合わすだけの人に格下げしないといけない。
はたしてそんなことができるのだろうか?
私がそこにいるのは秋まで。あと半年もない。
毎日のように顔を合わす日々はあと数か月で終わり、その後は二度と会わなくなるだろう。
だから会えているあいだはたくさん楽しい話をして、たくさん楽しい思い出を作りたいのに、私にはそれができない。
離れた場所に座って、彼女を囲む雑談の輪にあまり加わらないようにしようか。
欲しがらなければ、妬みや惨めさも湧いてこないはず。
彼女は自分にはあまりにも魅力的な人で、好きにならずにはいられない。
本人に伝えたら少しは楽になるかと思ったが、それを知ってもなおそんな私のことを受け止めて何かにつけ優しく接してくれる彼女に対して以前にもまして思いが募るようになってしまった。
私の方から距離をとって、他の人と話す彼女を遠くから眺めているくらいがちょうどいいのかもしれない。
わざわざ距離をとらなくても半年もしないうちに会わなくなる相手なのに。
会わなくなってから後悔するに決まってるのだ。
なんでもっと話しておかなかったのか、と。