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沈没する国の行方

*相棒18の第19話「突破口」のネタバレを含んでいます。

先日「相棒」の「人生ゲーム」を見て大層感動して、「相棒」再放送の録画を始めた。

以前も録画していた時期があったのだが、何せ週5で放送しているから見れないうちにすぐ溜まってしまう。
それで録るのをやめてしまったのだった。

「相棒」のエピソードのクオリティはピンキリだろうから、それを判断するのが難しいのも録画をためらう理由だった。

しかし、最近「相棒ファン」というサイトを知った。過去の放送回それぞれに熱心な「相棒」ウォッチャーが感想を寄せており、それを読むことで名作の当たりをつけられるようになってきた。これはありがたい。

「相棒」のファンに支持の高い脚本家・太田愛さんの「突破口」を見た。

評判通り、素晴らしい内容だった。
あらすじは以下の通り。

与党幹事長の口利き疑惑に関与したとされる大手ゼネコン社員が社屋から転落死する事件が発生。警視庁上層部は、現場に争った形跡があったにも関わらず自殺での事件処理を図り、権力による“口封じ殺人”を疑った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、独自の捜査を開始。第一発見者である嘱託社員の山野(中本賢)から事情を聞く。と、事件当夜、激しい雨の中会社に忘れ物を取りに戻った際、不審な男を目撃したことを思い出したと証言し、目撃者になったことで自分も狙われるのではないかと、ひどくおびえた様子を見せる。

「相棒ファン」より引用

自殺したアダチに罪をなすりつけ、汚職の責任から逃れようとする会社幹部と政治家を山野は許せず、他殺に見せかける工作をして警察の捜査を始めさせるのだった。

しかし幹事長の圧力で警察上層部は捜査の中止を命令。
だが、それに素直に従わない杉下右京。だから匿名係に左遷されたのだ🤣

これを見て思ったのは、森友事件で自殺した赤木俊夫さんのこと。

いったいこの国の不正の責任を負わされて自殺に追い込まれた人はどれだけいるのだろう。

私は日本の将来にまったく希望を持っていない。

能天気な人は「国に頼らず、自分の身は自分で守らないと」とか言っているが、政治の力の大きさを認識していないお子様発言としか言いようがない。

消費税が15%に上がれば従わざるをえないし、「自分の身を自分で守る」なんて幻想に過ぎないのである。

古くから日本では「政治と宗教の話はタブー」とされてきた。

海外では家族や友人の間でそれらの話題をするのは当たり前ではないだろうか。

政治と宗教について無関心・無批判にさせることに成功させた自民党と統一教会は笑いが止まらないだろう。

森喜朗が「無党派は寝ていてくれ」と言ったが、それが政府の本音なのだ。

先ごろ行われた埼玉知事選の投票率は23.76%。
4人に1人も投票に行っていない。

日本では「投票は国民の権利」と言われるが、私は「国民の責務」だと思っている。
「権利」感覚でいるから、放棄しても何ら責任を感じないのだ。

投票に行かないのは白紙の契約書にサインして渡すようなもの。
国民が政治を監視していないから悪政になるのは当たり前。
投票すらしないで善政を期待しているなら大きな勘違いと言うべきだろう。
政治をサービスと捉えている国民が少なくない。
政治は国民一人一人が作り上げるもの。

最近はニュースに関心のない人が多いらしい。
自分の生活にしか興味がないのだ。

世の中には社会の仕組みのせいで理不尽な思いをしている人たちがたくさんいる。
住みやすい暮らしを手に入れるために法改正を望んでいる人、自分に加害した人を裁判でしっかり裁いてほしい被害者、世の中にたくさんいる「苦しんでいる人」の痛みや苦しみに無関心で来たから、今のような「人にまったく優しくない国」になってしまったのだ。

自分さえ勝ち組になれればいいという発想、まるで「置かれた場所でいかに人生を楽しむか」という人生観になってしまっている。
社会そのものを善い方向に変えていこうという意識や気概がない。

欧米なら頻繁にデモが起きるが、お上の言うことに従順になるよう躾けられた日本国民はめったにしない。

びっくりしたのだが、若い人の一部には野党がやってることは

○足を引っ張っている
○空気が読めない
○協調性がない
○自分勝手

に映ってるようだ。

権力者がやろうとしてることに異を唱える人はまわりに迷惑をかけていると思っているのである。
小さいときから学校の先生の言うことに逆らわないのが大人、ブーブー文句を言うのは子供、という空気の中で育ってしまっているからだ。

かつて2回政権交代を果たした日本。
定期的に政権交代する国になれば、自民党も今よりましな政党になるだろう。

投票という未来への責任を放棄してきた国民の払うツケは計り知れない。
日本はタイタニック号のように沈没していっている。
先進国? 経済大国? かつてそう呼ばれていたのが懐かしい三流国と化した。

特別なことをしなくても、投票に行って政治参加するだけで未来は明るくなる。
投票がめんどくさいなんて国民が言ってる国は世界でも少ないだろう。
ミャンマーやアフガニスタンみたいに民主的な投票が行われない国もあるのに。

真面目に働いて、好きな人と結婚して子供を産んで、そんな平凡に生きる幸せが困難な国になってしまった。

政財界の上層部だけが甘い汁を吸っている。
フルタイムで働いて月給8万の会社から転職しない人みたいだ。
会社単位ならわかるはずなのに、国の規模になるとひたすら搾取されるだけ。

学がない人は騙されるが、日本人は大学を卒業しても政治参加の重要性がわかっていないのだから、自民党&統一教会の教育政策も見事なまでに成功したものだ。

いま街中に出るとマスクをしていない人が相当いる。
感染が再拡大しているという情報すら入っていないのではないか。

コロナに感染すればすぐに入院できるものと思っているのだろう。
そんな呑気な状況ではあるまいに。

街中の光景は一見平和だ。マスクをしている人が減ってきて、「コロナも徐々に出口かな?」と思わせる。

現実はその真逆なのだから、現実の認識ができていない人たちが多すぎると言うべきだろう。

20年前、30年前の日本はまだ活気があったと思う。
将来幸せに暮らせるという夢を持てたと思う。

今はどうだろう。

あなたは将来幸せに生きられていると思いますか?

もし思うなら、どういう根拠でそう思えるのでしょう?

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