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ショパンとバッハの違いがわからない

学術的なお話ではありません😅

「クラシックが好きなんです」という話をすると(めったにありませんが)、「私は違いがわからなそうで……」と萎縮されることがあります。

皆さんも似た経験はありませんか?

「芸能人格付けチェック」のような番組で、楽器の聴き比べは定番の問題です。何千万の名器と初心者用の何万円かの楽器を聴き比べさせるクイズです。

ああした番組の影響もあるのでしょう。「違いがわからない=恥ずかしいこと」になってしまったのです。

指揮者による演奏の違いがわからないと不安の方もいますよね?

初めてコンサートに行くなら違いがわからなくて当たり前です。

比較対象がないんですから😅

クラシックだからといって固く考える必要はありません。

「君が代」のカヴァーアルバムがあったとします。

玉置浩二、桑田佳祐、森進一、谷村新司、和田アキ子……

ものまね番組でお馴染みの(真似される側の)面々ですが、全然違う「君が代」になると思いませんか?

クラシックもそれと同じです。指揮者の数だけ「運命」がある。

指揮者の違いを聴き比べるのもいいのですが、同じ指揮者&同じオーケストラが2日連続でやっても同じ音楽にはなりません。

もちろん同じリハーサルを元にした演奏なので大幅に解釈が変わることはありませんが、生の音楽は生きものと一緒です。あるいは大気や水と同じです。

二度と同じ形では味わえないから、コンサートに通う意義があると言えます。
コンサートが終われば後にはチケットの半券しか残らないのですが、私はいまだに25年前に聴いた朝比奈隆の第九の感動を覚えています。感動の記憶って一生ものの値打ちがあるんですね。

CDにはCDの良さがあります。繰り返しじっくり細部まで味わうことができます。今は亡き巨匠や名人の演奏を鑑賞することもできます。

CDには一回性の芸術の儚さや鮮烈さはありませんが、最初に聴くときに一期一会の気持ちで集中して聴いたら、コンサートに近い感動が得られるかもしれません。

いまはYouTubeやSpotifyなど、お金を払わずに音楽を楽しめる時代になりました。クラシックはインスタントな快楽とは違って、時間をかけてじっくり味わう芸術です。CDでいくら聴いてもよさがわからない人はぜひコンサートに行かれることをおすすめします。

コンサートは「生の音はやっぱりいい」ということより「美や感動が生まれる瞬間を目撃できる」ことの方がより意義があると私は思っています。

さて、タイトルの「ショパンとバッハの違い」ですが、この2人は生きていた時代が違うので曲調も全然異なります。
演歌とK-POPほどは違いませんが、演歌と昭和歌謡くらいの違いでしょうか。

だから「ショパンとバッハの聴き分けができない」と言うとバカにしてくる人もいると思いますが、「違いがわからない」というのは誰でも多かれ少なかれあるのです😅

「ハイドンとモーツァルトの違いがわからない」とか「ハイドンは全部同じに聞こえる」とか。
イタリアのバロックも結構似通ってます。ヴィヴァルディ、コレッリ、タルティーニ、ジェミニアーニ、誰の合奏協奏曲なのかわからないくらいです笑

ですので、“違いがわからない”ことを過剰に恐れず、少しずついろんなことがわかっていく過程を楽しんでいただければ幸いです。

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こはだ@クラシックジョーク
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