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ADHDに見られる4つの話し方の特徴

ADHDの人は、不注意・多動性・衝動性という3つの症状があります。そして、症状を背景にした特徴的な話し方が見られることがあります。

これは個性と受け入れてくれることも多い反面、人間関係や色々なトラブルにつながるので注意が必要です。

今回は、そんなADHDの話し方について紹介していきます。


① 話を忘れる(+小さな嘘が混じる)


ワーキングメモリの低さによる不注意症状をもつADHDの人は、会話の途中で記憶が抜けたり、細部を忘れることが増えます。

この時に、「忘れた!」と正直に言える人であれば特に問題は起きません。

一方、衝動性も強いと、正直に話したり、説明したりすることを面倒に思い、適当に嘘をついて話を続けてしまうことがあります。

特に、深く考えていないため本人は気にしていませんが、周囲からは「いつも嘘をついている」と認識されることも増えますし、信頼関係が命であるビジネスでは致命傷になることもあります。

よって、「ADHDは話を忘れたり、特性的に些細な嘘をついてしまうことがある」と周囲が知っていると、「忘れて適当に話したでしょ!」とツッこんであげることができます。

また、当人も自己理解しておけば、

「調子乗って、たまに嘘ついちゃうことあるので、その時は指摘してください!」

と先に周囲に伝えておくこともできます。

同時に、嘘をついた後に、

「すいません!ちょっと嘘をつきました!」

とすぐに訂正・フォローすることで、トラブル予防ができます。

② 自己開示しすぎる(+ぶっちゃけ話が多い)


ADHDは実行機能障害(=ドーパミンの調整困難)を抱えるため、頭が働きにくい状態です。そのため、頭を活性化するために刺激を求める行動(=自己刺激行動)が多くなる傾向があります。

この特性をもつと、会話の時に

  • 「自己開示しすぎる」

  • 「思っていることを正直にぶっちゃけてしまう」

という行動がよく見られます。

初対面である程度の自己開示はいいですが、

  • 過去の失敗

  • 好きな人、嫌いな人

などあまり人に言わない方が良いことまで、自己開示してしまい、結果的に人間関係のトラブルにつながることもあります。

特に、小中学校の間は、自己開示した内容を周囲にイジられて、いじめに発展するケースも多いです。よって、仲良くなるまでは、

  • 「自分以外を会話の話題にする」

  • 「流行っているものの話題で話す」

などの意識を持つことで予防できることがあります。

このように、「過度な自己開示はトラブルになることもある」という事実を周囲、本人が知っていることが予防につながります。

③ 相手の話を最後まで聞けない


ADHDは集中力の継続が苦手なため、長く話を聞くことも苦手です。一方的に、自分が話すのであれば大丈夫ですが、聞く側になると、ぼーっとし始めたり眠くなりやすく、話が頭に残りにくくなります。

その結果、「話が聞けない子」と認識されることがあります。

この場合、周囲の人は、

「ADHDの人との会話は、適度に質問をしたり、話を振ったりする」

と考えて対応してあげることができます。

反対に、一方的に話し続ける癖のあるADHDの人は、

「話し続けると相手が気を悪くすることがある」

と自己理解をすることが大切です。

その上で、

「3回に1回は相手に質問する」
「会話を回す司会・ファシリテーターに徹する」

などのルールを設定することで予防できることがあります。

特に、会話のキャッチボールに不可欠な「質問スキル」の練習は、コミュニケーション能力全体の底上げに繋がります。

④ 雑談が多い(大事なことを言い忘れる)


ADHDの不注意症状は、情報の優先順位をつけることが苦手という特性でもあります。そのため、優先度の高いことから動けないために起こる現象とも考えられています。

そのため、話が二転三転して、雑談が多くなったり、最初に伝えたかったことを忘れたりすることが多くなります。

友達との会話であれば問題ありません。しかし、取引先の人や会議の場、講演会など目的を意識して話すことが求められる場所では、マイナスになることもあります。

その時は、

  • 原稿を用意する

  • 適宜サポート・指摘をしてくれる人を設定する

  • 会議では役割に徹すると決めておく

など状況に合わせた事前準備が効果的になります。

これも、自分の話し方の癖を自己理解しておくことで、できる対応になります。

▶︎まとめ


以上、ADHDに見られる4つの話し方の特徴でした。今回はADHDの背景にある、実行機能障害・報酬系機能障害を踏まえた話し方をまとめましたが、実際は個々人で話し方の癖は異なります。

しかし、今回の話し方の特徴は、特にトラブルにつながりやすい特徴を整理していますので、把握しておくことをお勧めします。

また、この対応として、最も大事なことは「自己理解」であることを紹介しました。そして、自己理解は本人だけではなく、周囲からのコメント・フィードバックが重要になります。

支援者は、客観的な特徴や対策を記録・フィードバックして、適切な自己理解を促すことで、

  • 苦手さをカバーする行動を獲得する

  • 自分で環境調整をする

という2つの自立に必要な行動を獲得しやすくなります。二次障害予防としても大切になりますので、ぜひお役立てください(^ ^)

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