拈華微笑
あしなべて便利になれば...
一切の苦がなく楽になれば...
明日の衣食住の行方を気にしないほど豊かになれば...
私たちは幸せになれる。
そう信じてきました。
しかしながら...
その果てに見た現実はどうでしょう?...
いつも心のどこかに観えざる不安を抱え
さらに観えているはずのものも観えず...
心ここに在らずが如くに
大勢的に妄信的な価値を与えてはいないだろうか?
何かを見失い
何かに餓え
何かに辟易し...
尽きることのない渇望に心躍らされてはいないだろうか?
「生きていくことの意味」
「生きていることの価値」
「生かされていることの尊厳」
これらを人生一度も考えたことのない人間はおそらくは皆無ではないでしょうか?
シンプルで純粋で真髄的なものほど
けっして快刀乱麻には答えはでないかもしれない。
しかしながら...
私たちは日々、意識する、考えること...
深く心こめること...
「心の機微」をほんの少し「信念」をもって...
ささやかな日常の些末の事象に対峙しながら...
その答えを融通無碍に自問自答する歩みを進めることで...
その答えに近づいて行けるかもしれない。
生きていくことの意味や
深淵尊大な命の摂理や真理...
ひいては愛することの大切さを...
偶然の出逢い...
心をこめて信念をもって道端で静謐に咲きほこる...
拈華微笑の花の姿に...
邂逅にも悉知することができるような気がしました。
出逢えたご縁...
じわじわと心の奥底から自然に湧出してくる
「有難き幸せ」という感覚...
この感覚のすべてに...
「生きていくことの意味や真価」が...
そっと潜んでいる気がしてならない。
ありがとう。
微笑み美しき...
愛するあなたへ
KOH
2020年10月8年 寒露
大安吉祥日