節約と時間のバランスを考える
年末になると、サラリーマンには年末調整という事務手続が発生する。嫌でもお金の問題に向き合う必要が生じる。その年の年収や住宅ローンの残高をまざまざと見せつけられる。
人生でこれまで経験した最も大きな買い物は家だ。ローンを組んでの購入だったため、契約締結時はさすがに緊張した。これで30年、借金を返し続ける人生が続くのかと。そんなことを考えると気が重くなったりもした。
ただ不思議なもので、そんな感情も何年もローンを払い続ける暮らしを続けるとほぼ無くなってくる。そもそも住居に対する支払行為は賃貸であっても続く。家を全額キャッシュで買わない限り、住まいに対するランニングコストからは逃れられない。早くローンから解放されたい…なんて気持ちも特に生まれず、淡々と定額を毎月返し続けている(さすがに変動金利の上昇が決まれば影響を調査する程度には注意しているが)。
自分は正直、あまり物欲がない。衣服はユニクロでいいし、家具はニトリで十分。子供に対しても今のところそこまでお金をかけていない。強いて言うなら趣味で使うアイテム(アウトドア、音響設備、ギター)に多少金を使うくらいだが、それもなるべく安く済む方法を探している。骨董品や高級腕時計などには一度も興味を持ったことがない。
だからか、お金に対しても執着がなく、結果的にお金で苦労することはこれまでの人生でほとんど経験していない。お金は暮らすうえで必要不可欠だが、必要以上に持つことや欲しがることは、人を壊す要素にもなり得るという価値観を、どこか本能的に身につけているのかもしれない。
とはいえ、節約しすぎるとそれはそれでストレスが溜まる。貯蓄残高を眺めることに満足するような生き方は避けたい。だからといって浪費もしたくないので、消費時には無理のない範囲でなるべくコストを抑える工夫をしている。最近は知らないだけで損をする場面が増えているため、情報収集には意識を向けている。
だいたい気をつけているのは次のこと。
クレジットカードはポイント還元率が高いものを利用。3年おきくらいに見直す。
QRコード決済が使える場合は必ず使い、ポイントをクレカと二重取り。
ポイントカードは忘れず提示。
日用品はセール日や還元率が高い日にまとめ買い。
フリマサイトを活用して、必要なものを安く入手。
購入前にクーポンサイトやアプリをチェック。
固定資産税や自動車税はQR決済で支払い。
ふるさと納税は全額使い、米や調味料などの食料品を調達。
よく使うファミレスでは商品券を買い、割安に食事。
不用品(特に育児用品)はフリマサイトで定期的に出品。
余剰資金は定期預金に移し、少しでも利息を得る。
積立NISAでパッシブ型投信に定額投資。
これらは、日々の生活の中でほとんどストレスなく実行できている。本当に節約が上手な人からするとまだ甘いかもしれないが、これくらいの行動で十分だと割り切っている。
節約も大切だが、何より重要なのは時間だ。節約そのものに価値を見出しすぎて貴重な時間を浪費するのは本末転倒だと思っている。適度に工夫を凝らしつつ、無理なく続けられる範囲で実践しているのが、今の自分にはちょうど良い。