紙の新聞に戻した話
新聞の発行部数が著しい勢いで減っている。
https://www.pressnet.or.jp/data/circulation/circulation01.php
筆者も社会人になりたての頃は、周囲の先輩に影響されて日本経済新聞を購読していた。
が、7~8年くらい経ったところで、以下の理由から購読をやめた。
ネットメディアで十分な情報収集ができる
料金が高い
ネット証券のサービスで日経電子版の記事が読める
簡単に言えば、「料金に見合わない」と感じたからだ。
発行部数の推移を見ると、同じ理由で購読を辞めている人も多いのかもしれない(人口減少という要因もあるが)。
購読をやめた当初は、毎朝ネット証券のアプリにログインし、スマホで日経新聞の記事を読んでいた。
しかし、使い勝手がそれほど良くなかったこともあり、半年ほどでその習慣も途絶えた。
結果的に生活に大きな実害はなかった。仕事上でも、新聞を必ず読まなければならないような環境ではなかったので、周囲の話題についていけない場面が多少はあったものの、特に困ることはなかった。
ただ、新聞を読まなくなってから5年ほど経つうちに、次第に次のような違和感を覚えるようになった。
関心の幅が狭まり、関心外の情報が入ってきにくくなった
ネットメディアの情報の質に疑問を感じるようになった
昨年のちょうど今頃、このような問題意識を強く感じるようになり、今年の1月1日、元日から新聞の購読を再開することを決意。
あえて紙面での購読を選び、大晦日に申し込んだ結果、翌日から新聞がポストに配達される生活が再び始まった。
結論から言えば、購読を再開して良かったと思っている。
現在も購読を続けており、毎朝の新聞を読むことが習慣となり、情報に触れる楽しさが増した。
ネットメディアの普及によって、情報が氾濫する時代となり、正確で重要な情報を見極め、適切に入手するのが難しくなっている。
情報は無料で手に入るようになったが、それゆえに本当に必要な情報を「選別」することにこそ価値があるように感じる。
生成AIが登場して以来、ネットニュースの質がさらに低下しているような気がしている。もはや、無料で得られる情報の価値は相当に薄れていると感じる。
また、ネット記事はうまく利用しないと、どうでもいい記事に誘導されるたりする。PV数を稼ぐための記事や、関連記事のリンクに流され、いつの間にか無関係なニュースを読んでしまう。
その点、新聞はわかりやすい。新聞社の記者がその日に知るべき情報をまとめてくれており、紙面のレイアウトもおおよそ決まっているので、効率的に「流し読み」ができる。
また、最近は電子版で新聞を読む人も増えていると思うが、改めて紙面の新聞を購読したことで、紙の良さを再発見した。
スマホの画面は、とにかくサイズが小さい。画面に入り切らない情報は、情報として頭に入らないのだ。
広い紙面は、目線を動かして「流し読み」ができる。
広告もさっと目を通してすぐに別の記事に視線を移動できる。
広告も色々、発見があったりする。
大衆紙の見出し、流行りのビジネス書、新しいサービスなど。
ただ、紙面の広告は健康器具や健康食品、高価格帯の海外旅行とかが多く、年配の人をターゲットにしたものが多い印象を受ける。
筆者は毎朝、電車内で紙の新聞を読んでるが、そのようなことをする人は最近はほぼ見かけなくなった。
いても、同じ車両に2人くらいという印象。自分より若い人はまずいない。
いまは日本経済新聞の朝刊のみを購読している。月額4,800円。
サブスクの金額水準としては結構な料金だ。
ただ、いまのところはその価値があると思って、購読する選択をしている。
新聞発行部数の推移を考えると、紙の新聞が毎朝配達されるサービスがいつまで続くかは分からない。
が、サービスが続く限りは、しばらくこの生活を続けたいと思っている。