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空間AI白書

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AI×建築の実験記録をまとめた「空間AI白書」の各章をまとめたマガジン。
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記事一覧

AI設計論|喋る画像と集団芸

AIによって切り開かれる空間デザインの可能性について考えるノート。4回目の切り口は"意味"。「生成画像の特徴は集団デザインの在り方も変わるんじゃないか?」という話し。 分散型クリエイティブの難しさ分散型で働くことが一般的になり、個人の働き方の自由度が増した一方で、共同作業の難易度は上がったと思います。特に、感覚的な共有が必要なクリエイティブ業界では、難易度の高い課題で、どう向き合っていくか個人的な興味があります。それについて考えます。 生成画像は喋る画像さて、AIの話しで

AI設計論|広域越境デザイン

AIによって切り開かれる空間デザインの可能性について考えるノート。3回目の切り口は"解釈"。「AIの理解力と統合力がデザインジャンルの横断を加速させるんじゃないか?」という話し。 空間デザインにおける越境の歴史たとえば、ル・コルビュジエは美術や彫刻の要素を空間に取り入れ、フランク・ゲーリーがコンピュータサイエンスを設計に取り入れたように、空間デザインは、これまでもアートや多様な異なるジャンルからの影響を受けながら進化してきました。建築に限らず、デザインは昔から領域を横断して

AI設計論|超並列プロセス論

AIによって切り開かれる空間デザインの可能性について考えるノート。2回目の切り口は"幅"。「不可逆性の高いデザインでも、並列の思考の重要性が増すんじゃないか?」という話し。 不可逆性の高さから生じる線形思考他のデザインと比べて建築デザインが持つ特徴の1つが不可逆性の高さだと思います。多くの場合、スケッチのような抽象的な検討から徐々に具体化に積み上げていくデザインプロセスを踏むのは、この不可逆性に起因している気がします。藤村龍至先生の「線形プロセス論」はこの思考を体系化したも

AI設計論|量から生まれる質

AIで切り開かれる空間デザインの可能性について考えるノート。初回の切り口は"量"。「AIが生み出す"量"を巧みに扱えば非言語なデザイン業務ができるんじゃないか?」という話し。 コンセプトを決めないでデザインをするAIの"量"を活用したデザインを実践した例の1つが、昨年公開した家具"NO NAME"です。 ざっくりサマると といった感じ。今回はここから踏み込んだ内容です。 これまでにもあった"量"から生まれたデザインNO NAME取り組み時に「小さな風景からの学び」が脳

物理のデザインでAIを使う課題と可能性

AI家具 - NO NAME実現したものがこちら。「NO NAME」とタイトルをつけました。 下に窄んだ台形のシルエットは、デザインの過程でAIを利用しなければ出来なかったであろう形状で、クリエイティビティにAIは影響すると体感したプロジェクトになりました。完成物は納品したクライアントにも"かわいい"と気に入ってもらえています。このnoteは、AIで家具のデザインをしながら考えたことと学んだことを、3つのテーマでまとめたものになります。 制作のきっかけプロジェクトはこちら

空間AI白書 - 家具編

昨年生成していたAIデザイン家具をnoteにまとめてみました。 これらの家具デザインは基本文法が同じプロンプトで生成されており、1、2箇所のみ変更することで全然別のバリエーションの家具がでるようになっています。変更箇所はどのAIにもある総当たり系のプロンプトを打つことで一気に出力できるので、デザインの案出しにはとても有効。

空間AI白書 - 導入編

AIの波が建築業界にも徐々に広がっているようなのですが、それに伴って「情報のキャッチアップを始めているけど、何かやろうにもどこから手をつけていいかわからなくて困ってます。」という声を聞くようになりました。 ということで、これからAIについて学び始める建築業界の人向けに、AIの取っ掛かりで知っておきたい概要についてまとめようと思います。 AIに関する基礎理解まずはAIそのものについて理解しましょう。ついつい建築の実例を知りたくてなって、AIの理解は飛ばしてツールを触ったり、

空間AI白書 - 活用編その1

MidjourneyやStable Diffusionを筆頭に、昨年の夏から爆発的に広まってる画像生成AI。昨年の夏も少しいじって下記のnoteを書きました。 そこから数ヶ月… 「添景以外でももっと空間デザインで画像生成AIを活用できるはず。」そう思ってここ数日色々と触ってみました。思った通りでした。まだまだ先は長いですが、ひとまず現段階でできることをまとめたのがこのnoteです。最下部に募集のお知らせもありますので、ご一読いただけると嬉しいです。 空間AI白書(β版)

空間AI白書 - 活用編その2

生成AIの進化は引き続き高速で、自分だけでは実験したいことに手が追いつかなかったのですが、4月に「空間AI白書」を公開した後、仲間がたくさん集まってくれました。このnoteは白書の続編noteです。 要素を絞ったデザインをする画像生成AIは画像が綺麗になるアップデートに注目が集まりやすいですが、プロンプトの解釈の精度も日々改善されています。その結果、特定の条件の中でデザインを検討したり生み出すことが、よりできるようになってます。 特定の素材を使用した空間を製作する 「天

空間AI白書 - 活用編その3

こんにちは。 NOI STUDIO の 布井 です。 NOI STUDIOでは、宮下さんと共に、建築分野での画像生成AI活用に関する研究をすすめてきました。大手の企業さまからお声かけ頂き、実務案件での活用提案も進めています。このあたりで一度、建築設計の文脈での活用に関する知見を一度まとめておこうと筆を執りました。特にstable diffusionに活用した内容になっています。 宮下さんによる空間AI白書と併せてご覧ください。 前提知識画像生成とは 画像生成は、人工知能

空間AI白書 - 添景無限生成編

ここ数日流行っていた画像生成で建築パース用の添景を作れるのでは?! と思い立ち、色々と触ってみた記録をまとめたのがこのnoteになります。 誰でも簡単にできるし。建築の表現を増やせるし。無料だし。超オススメ。 画像生成錬金術師の始め方手始めに使いやすいサイトはMidjurney。ここ数日twitterで色々流れているのはこれを利用したものが多いです。試しに利用する分には無料でできる。 登録の仕方はこちらのサイトにまとまってるので参考にどうぞ。 他にも「LatentMaj

空間AI白書 - 施設プロンプト編

建築の画像生成をする際の手引書として、用途別の建築画像を出力したものをまとめました。画像生成AIの肌感を掴むために、個人的に一通り生成してみたものなのですがせっかくなんで公開します。画像生成の参考にどうぞ。 AIが学習している要素を知っておくAIで画像生成する際に、ある言葉にはどんな要素が含まれているのか? つまり、どのように学習されているのかを理解しておくことが重要です。 例えば「House」だと下記のようなが画像が出力されます。 「house interior」の場

空間AI白書 - AIサービス一覧編

建築系にむけたサービスもたくさんでてきたようなのでまとめておきます。 Rendery内装写真やスケッチをベースに好みの素材やスタイルを指定することでパースを製作できるサービス。高精度レンダリングが簡単にできる。 Vectorizer AI画像をベクターデータに変換してくれるサービス。画像生成AIで出力した画像をベクター化できるのでillustratorなどで編集できるようになる。 REimagineコントロールネットの簡易版サービス。画像をアップロードするとそれに近いイ

空間AI白書 - ワークショップレポート

5月16日(火)に日建設計さんの本社ビル3Fにある共創の場「PYNT」で、DDLチームのみなさんと建築×AIのイベントを開催しました。AIのイベントを自分で開催するのは初だったのですが、DDLの皆さんとPYNTの運営の皆さんのおかげで無事開催することができました。感謝です。会は想像を超えて盛り上がり、せっかくなのでその記録を簡単にまとめてみました。 イベントの様子当日の様子はこのような感じ。爆速で無くなってしまったチケットを獲得した60名の皆さんが当日キャンセルほぼなしで参