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13時のバス(学習障害)

あゆみ野クリニック心療内科は、事実上労働問題相談所、石巻第二労基署と化しています。訪れる患者の8割が労働問題で心身を壊した人々です。私はできる限り彼らをどうにかしたいと努力しているのですが、かなりの割合で、どうすることもできない人々がいます。そういう人々の中の一定数が、こういう学習障害を疑う人々です。

高卒で、「13時のバス」という時間概念が理解出来ないとか、「6個の商品を3等分しろ」と言われてどうしてよいか分からない、という人々が実際にいるのです。そういう高卒が親に連れられてやってくるのですが、正直、どうすることもできません。いくら何でも会社もそんな人は雇えません。それは解雇の正当な理由として成立します。

私にできることはその人々に学習障害という診断を付けて、精神障害者申請をさせ、下りたら障害者年金を貰わせることです。だってどう考えても、こういう知能レベルでは労働は不可能です。

だけどなんでこういう人々を、「高卒」に仕立て上げ(やり方は知ってます)、いざ社会でどうにもならなくなるまで見かけ誤魔化しておいたのか。まあ、田舎ですから、体面が第一なんでしょう。精神障害者なんか絶対いやだという精神障害者やその家族は、たくさんいます。それで、どんなに無茶苦茶やっても普通高校を卒業させる。そして就労可というお墨付きを貰う。しかしそれで就労したらこうなんですから、そこでドロップアウトするんです。そうなって初めて、「じゃあ仕方が無い」となって「学習障害」と診断して障害者年金、と言うことになるのです。

だけどこう言う人が学習障害であることなんか、小学校高学年あたりで分かっていた筈なんですけどね。

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