無知な労働者
ずばりタイトル通りです。
ある患者さん、違法残業、パワハラが常態化する職場で心身を病んだ。その人に私は聞いた。
「残業時間の上限は一ヶ月何時間かご存じですか?」
無論その人は知らなかったし、聞いた私も「多分この人は知らないだろう」と思っていた。しかし三六協定を結んでいれば話は変わるのだから、私は
「あなたの職場に労働組合はありますか?」と尋ねてみた。するとその人はしばらくきょとんとした顔をしたあげく、
「あの、ろうどうくみあいってなんですか?」
私は1分ほど診察机に突っ伏してしまった。
石巻の経営者は恵まれている。経営者が何も言わなくても、労働者が率先して労働基準法を破り(と言うかそもそも残業時間の上限すら知らず)、なおかつ「ろうどうくみあい」という単語自体「なんですか?」なんだから。
こりゃあ、何処まででも、まさにそいつがぶっ倒れるまでこき使えるって訳だ。
私が休業を要するという診断書を書き、会社に出させたら会長から「退職勧告」なる文書が届いたから退職届を出したとか言う馬鹿とか、さらには社長が家に来て、「本人じゃ無くて良い、親御さんの代筆で良い」と言われて母親が署名した代物が退職届だったとか・・・。
いや悪いけど、そういう人をどうしろと言われたって・・・。
石巻の労働者諸君、これはさすがに、ちょっとやばいぜ。