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ヘグモ監督を続投させるべき理由


昨年、アジア王者となりCWCを経験し、目指すべき目標のために再スタートを切った2024年シーズンもあっという間に半分を超えました。
リーグ優勝を目標に掲げ、大型補強を敢行し期待度は高かったものの蓋を開けてみれば中位に甘んじ、優勝前線から大きく差を広げられてしまっています。
それに対し様々な声が上がっていますが、一部では今シーズン就任したヘグモ監督を解任すべきという声も出ています。
一部の意見ですし、誰がやってても成績が上がらないと必ず出るものなので大真面目に捉えない方がいいとは思いますが、興味深い声であるために久々に記事を書いてみようと思います。

解任はNO 続投させるべき

まず、はっきりと申し上げたいのは私はヘグモ監督は続投させるべきだと思っています。
理由は大きく2つです。

1つ目は「選手の成長が見られ、進んでいる方向性は間違っていない」という理由です。

確かに優勝を掲げたのにも関わらず、優勝争いにまったく絡めておらず、ここ2試合は湘南、京都と残留を目指すクラブに1分け1敗と情けないゲームが続いています。
しかし、試合の内容や選手のプレーを見ていると決して悲観的なことだけでないことが分かります。

昨シーズン、マチェイ・スコルジャ監督が指揮したチームは失点が少なく、堅い守備が特徴的でしたが、一方で、ホセ・カンテの理不尽ゴールかアレクサンダー・ショルツのPKくらいしか得点が取れない攻撃面に課題があったチームでした。
特にビルドアップから自ら能動的に相手を崩して点を決めるのが苦手でした。

それを改善しようとノルウェー人の名将ペア・マティアス・ヘグモ監督を招聘しより攻撃的なチームにステップアップさせようとしました。

序盤はヘグモ監督の求める動きを意識するあまり、ただポジションに付くだけのサッカーになっていましたが、徐々に自由度も高まり、ヘグモ監督のやりたいことが浸透してきた結果、得点数はリーグ3位タイの攻撃的なチームになりました。

ビルドアップ時にはドリブルでボールを運ぶプレー、相手を引き付けて味方をフリーにするプレー、縦パスを入れて相手を引き付けたところワンタッチで剥がすなど昨シーズンでは見られなかったプレーが多く見られています。

個人レベルでは伊藤敦樹が昨シーズンから大きくレベルアップしています。

周りに活かしてもらうタイプの彼でしたが、今シーズンは周りを活かすプレーも増えました。
ランニングで味方のフリーな選手を作ったり、ドリブルで引き付けてパスをして味方に時間を作ったりするプレーは彼の大きな成長を感じます。

極め付けはハーフレーンの奥を取るランニングです。
シーズン当初からヘグモ監督が求めていたIHが相手のDFラインの裏を狙うプレーを1番上手く体現しているのが伊藤です。
ポケットとも表現されるこのエリアに上手く顔を出してチャンスを作るプレーは今の浦和レッズの1つの特典パターンです。

伊藤だけでなくマリウス・ホイブラーテンのビルドアップ時のボールの運び方、西川周作のミドルパスの配給など多くの選手が昨シーズンからの課題を改善するべく向き合っています。

そしてクラブ全体としても怪我人や移籍によってメンバーが上手く揃わない中でも誰が出てもある程度ヘグモ監督がやろうとしていることが体現できていると思います。
シーズン前のキャンプでは主力組に入れなかった、石原広教、大畑歩夢、安居海渡はチームに欠かせない存在になっていますし、佐藤瑶大、井上黎生人、武田英寿は数少ないチャンスを活かし評価を上げています。

確かにチームの成績はよくないですがシーズンが進むにつれできることが増えている、選手個人個人を見ても成長が感じられることからヘグモ監督の指揮するチームがどんなチームになるのかわ見てみたいと思っています。

2つ目は「予測不可能なアクシデントが多すぎるため」という理由です。

今シーズンは例年ではありえない怪我人が発生しています。特に攻撃的なサッカーをするに必要不可欠なWGのポジションに怪我人が多く発生してしまいました。怪我なく元気にプレーを続けているのは渡邊凌磨のみで一時はエカニット・パンヤや武田英寿など本来はWGではない選手を回さざるを得ない状態でした。
大久保智明、中島翔哉、前田直輝、松尾佑介など質の高いアタッカーは怪我によって離脱が続いていました。
WGで出場可能な関根貴大や安部裕葵も長期間離脱が続き、更には今シーズンの補強の目玉だったオラ・ソルバッケンも負傷により僅かな出場時間に留まり、最終的には契約通り半年間のレンタルでローマに戻りました。

他のポジションでもDFラインの主力の酒井宏樹、アレクサンダー・ショルツ、中盤ではサミュエル・グスタフソン、岩尾憲、小泉佳穂も負傷で不在になる期間がありました。

そして、6月末にはアレクサンダー・ショルツ、酒井宏樹、岩尾憲に加え先述のオラ・ソルバッケンが相次いで退団する結果になりました。

このようにチームの中心となる選手が複数人離脱、移籍となってしまい。チームを作っては壊すを繰り返せざるを得ない状態になってしまいました。
そんな状態でチームを作り上げ、尚且つリーグ優勝しろというのは無理な話でむしろそんな状態でよくやってると言いたいくらいです。

確かにそれでも結果を出すのがプロかもしれませんが、冷静に考えると現実的ではないのは明らかです。
ヘグモ監督が求めるサッカーが体現できる状態でこの成績であれば解任の声も理解できますが、怪我人は多くでるわ、主力は移籍するはでゴタゴタ続きの状態では優勝どころかヘグモサッカーを体現することすら難しいです。

上記の2つの理由からヘグモ監督を続投させるべきだと思っています。

浦和レッズの継続性

最後に浦和レッズというクラブがどんなことを目指しているかについて簡単に記したいと思います。
2020年に発足したFB本部は当初の三カ年計画は達成出来なかったものの、天皇杯優勝、ACL優勝、CWC出場権獲得など一定の成果を出しつつ右肩上がりに計画を進めていると言っていい状態です。

補強面でもキャスパー・ユンカーに始まり、ヨーロッパのマーケットに名前が上がる選手を多く獲得しクラブの価値を証明しています。

監督人事では大槻毅とリカルド・ロドリゲスでベースを作り、マチェイ・スコルジャとペア・マティアス・ヘグモ監督で更なるステップアップを目指すという流れは評価できると思います。

このようにクラブは浦和レッズが強くなるために中長期的な目線で強化を続けています。

クラブが目指すのは浦和レッズが継続的に強くあり続けることであるため、目先の目標だけを重要視することはクラブの方針とは異なるはずです。

確かに今シーズンは誰もが優勝を期待したでしょう。しかし、それを簡単に達成できるほどJリーグは甘くありません。それは何度もリーグタイトルに届かなかった我々が1番理解していると思います。

サポーターが掲げた「ここが踏ん張り時 ブレずに突き進もうぜ」のメッセージの通り、今は耐えどきだと思います。

確かに私は先ほど、この状態で優勝を目指すのは現実的ではないと記しましたが優勝を諦めてはいません。この困難な時期を乗り越えて最後にシャレーを掲げる可能性がある限りそれに向かって全力で突き進む、そんなクラブであって欲しいと心から願っています。

長くなりましたが、私は少なくともヘグモ監督とは契約期間である2年間は彼と共に戦い、願わくばリーグタイトルを獲得したいと思っております。そしてその願いが叶わなくとも、継続してやって得たものが必ずあるはずです。いつ訪れるかわからない歓喜の瞬間まで我々も出来る限りのサポートを選手、クラブに届けたいと思います。

本文はここで終わりです。
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