【本】大島純・益川弘如編著『学びのデザイン:学習科学』:学習科学の流れを概観し、教育工学のこれからを見出す。
木曜日はお勧めの本を紹介しています。
大島純・益川弘如編著『学びのデザイン:学習科学』(ミネルヴァ書房, 2016)
■要約
社会は、20世紀の工業化経済から21世紀の知識基盤社会に変遷しつつある。教育システムもそれに伴って「獲得」モデルから「参加」モデル、そして「創造」モデルへと変化している。
工業化経済における教育は、獲得モデルによる教授主義であり、そこでは「大量に、効率的に、標準化された」知識を獲得させることが目的であった。このような人材の最終的な姿が明確であるため、ゴールから遡って教授設計をすることが有効であった。
しかし、知識基盤社会では、新しい知識を生み出すことが求められるので、知識の深い理解と、転移、そして新しい問いが必要となる。そこでは参加モデルを採用して、転移、メタ認知、真正性の問題をクリアしようとしてきた。さらにこれからは生涯学習の時代に入っていき、知識創造を目的とした新しいモデルが試されるだろう。
■ポイント
上の要約を図にまとめるとしたら下のようになるだろう。工業化経済から知識基盤社会への変遷に伴って、教育システムも「教授主義」から「学びの共同体」へ、そして「知識創造」の新しい段階に入りつつある。
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