【本】R. T. ポッターエフロン・P. S. ポッターエフロン『アンガーマネジメント11の方法』:多様な怒りを上手に解消する方法。
木曜日はお勧めの本を紹介しています。今回はこの本を取り上げます。
R. T. ポッターエフロン・P. S. ポッターエフロン『アンガーマネジメント11の方法』(金剛出版, 2016)
■要約
怒りは大切な感情であり、目的がある。怒りの目的とは「何かが問題であるとあなたに伝えること」と「その何かを変えようとする活力をあなた与えること」だ。この意味で怒りにはネガティブな側面と同様にポジティブな側面がある。この本は、11に分類される怒りのスタイルを大きく3つ(隠された怒り、爆発的な怒り、慢性的な怒り)に分けた上で、それぞれの怒りをポジティブに解消する方法を具体的に示してくれる。
■ポイント
怒りは以下の3分類、11のスタイルに分けられる。
怒りというと激しいものをイメージしがちだけれども、1番目の分類「隠された怒りスタイル」は多くの人が当てはまるかもしれない。また、3番目の分類「慢性的な怒りスタイル」は、周囲にいるいわゆる「困った人」がこのスタイルのどれかに当てはまる場合があるだろう。
A 隠された怒りスタイル
01 怒り回避
・自分の怒りを恐れ、感じたくない人のスタイル。
・怒り回避をする人はしばしば身体的あるいは感情的な病気を発症する。
・怒りから逃れるためにそれを溜め込み、いつか爆発することもある。
02 陰険な怒り
・受動的攻撃者として直接的には攻撃をしない。
・何もしないことや、やり過ごすことで怒りを表現する。
03 内に向けられる怒り
・怒りの気持ちを自分に向け、その結果自分を傷つける。
・5つのパターン:自分を無視する/自分を妨害する/自分を非難する/自分を攻撃する/自分を破壊する。
B 爆発的な怒りスタイル
04 突然の怒り
・警告サインに気づかないため突然怒り出す。
・突然怒り出す人は一般的に忍耐強くない。
05 恥に基づく怒り
・恥は人間として不完全であるという感情をもたらす有害な感覚である。
・恥に縛られた人はネガティブなメッセージを自分に投げかける。
・私はよくない/私は十分でない/私はどこにも属していない/私は愛されない/私は存在してはいけない
06 意図的な怒り
・何かを手に入れるために怒っているふりをする。
・それが効果的だと学んできた人が使う。
07 興奮するための怒り
・怒ることで恍惚感を得ることができる。
・怒りのとりことなり、依存し、ますます激しさを求めるようになる。
C 慢性的な怒りスタイル
08 習慣的な敵意
・いつも敵意をもって考えることが自動化している。
・いつも最悪のものを探し、それを見つけることが自動化している。
09 パラノイア(恐れに基づく怒り)
・パラノイアとは人の動機や行動を過度に疑う状態。
・羨望や嫉妬は特殊なパラノイアとして捉えられる。
10 道徳的な怒り
・自分の価値観や信念が脅かされたと感じる時に道徳的な怒りを抱く。
・自分の価値観が正しく、相手の価値観は間違いだと考えている。
11 憤り/嫌悪
・誰かの言動によって傷つけられ、それにうまく対応できないときに憤りとして自分の中に封じ込める。
・そしてそれが嫌悪に成長する。
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