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【アドラーコーチング】(14) 傷ついたり、怒りを覚えたりするのは、痛いところを突かれたから

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2023年8月12日(土)

前回は、自分で傷つくときには目的があることを言いました。目的のひとつは、コーチが私の努力を認めてくれていないことを訴えることです。そうでなければ、コーチが期待するイメージの私になることは無理なことを訴えることです。

傷つくときには、悲しみや抑圧された怒りがあります。こうした感情は正しいものです。それは「私の努力は無視されるべきではない」「私は他人のイメージどおりのものでなくてよい」という自分の信念とは違う現実が展開したために起動されたネガティブ感情です。

しかし、よく考えてみると、たとえ自分の信念とは違う現実であったとしても、わざわざ傷つく必要はないのです。ただ、相手に「私は努力しています。それを認めてくれませんか」とお願いするだけでいいのです。あるいは「私はあなたの期待に応えることはできないかもしれません」と宣言すればいいのです。そうすれば、今度はそれを受け取ったコーチの課題になります。コーチの課題は、その努力を無にしないこと、つまり、より効果的な努力の方法を考え出すことです。

ここまで傷つくことについて取り上げてきました。自分がそれを目指して努力しているにもかかわらず、努力が否定されると人は傷つきます。傷つかない場合は、怒りだすことがあります。自ら傷つくことも、また相手に対して怒ることも、いずれも競合的な構えです。競合的な構えをしている限り、相手と協力することはできません。

傷ついたり、怒りを覚えたりするのは、まさにそれが「痛いところを突かれた」ということに他なりません。努力しているにもかかわらず、それがうまくいっていないことを指摘されたということです。まさにそこがポイントなのです。そこを回避して逃げるか、それとも正面から挑戦するかという決断をしなくてはならないポイントなのです。

(2019年5月7日)

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