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(122) オプティミズム「制御できる」とアドラーの「使用の心理学」

2021年3月11日(木)

前回「(018) ホープ「この道で行こう」と偽りのホープ」に引き続き、エクステンション講座の内容を振り返っています。今回は、4つのこころの資本の3番目として「オプティミズム」を取り上げます。

・現実的で柔軟な楽観主義としてのオプティミズム

こころの資本でいうところのオプティミズムは、単なる楽観主義、つまりものごとをすべてポジティブに見るということではありません。それは、過去・現在・未来にポジティブでもネガティブでも特定の出来事がなぜ起こるのかを説明するスタイルと定義されます。

その出来事がポジティブなものであれば、自分の能力と統制によるものが大きいと考える傾向です。一方、出来事がネガティブなものであれば、外的で、一時的で、状況特有のものであると考える傾向です。これらの傾向は、個人ごとに少しずつ異なっていて、その説明スタイルをオプティミズムと位置づけます。

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楽観主義に「現実的で、柔軟な」という条件をつけるところにオプティミズムの意味があります。楽観主義あるいは悲観主義は、自分と世界を見るための認知の1つの枠組です。その枠組は個人ごとに偏りがあります。

一般的に人のリスク認知には偏りがあります。人は検知漏れ(偽陰性)のコストを過大評価してしまう一方で、誤検知(偽陽性)のコストは過小評価する傾向があります。また、今持っているものを失うことを嫌う一方で、新しいものを手に入れることによるメリットを過小評価します(これが行動経済学のプロスペクト理論につながります)。

現実的なオプティミズムというのは、こうした偏りを理解した上で状況の適切な評価を試みるものです。もちろん、見逃すと重大な危機に陥るということがわかっているときには、より悲観的な見方をする方が適切ですし、反対に、見逃しても大したことは起こらないという場合は、より楽観的な見方をとる方がいいのです。このように、自分の説明スタイルを適切に選択できるということが、柔軟なオプティミズムです。

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・「統制の所在 Locus of Control」という概念

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