見出し画像

【アドラー教科書】(40) 感情は行動の触媒

火曜日は『アドラー心理学の教科書』の記事を連載しています。

2025年1月28日(火)

第2部 感情と信念

第5章 感情のしくみと目的

5.1 感情は行動の触媒

アドラー心理学における感情の位置づけは独自のものがあります。私たちはよく「怒りでかっとなって、怒りに自分が支配されてしまった」という表現を使います。つまり「怒り感情が自分を支配した/所有した」ということです。このような考え方を、所有の心理学 (psychology of possession) と呼びます。

一方、アドラー心理学ではこの考え方を取りません。そうではなく、個人がある目的のために感情を作り出して、それを使うのだと考えます。このような考え方を、使用の心理学 (psychology of use) と呼びます。アドラー心理学には、個人の主体性と目的論という大前提がありますので、個人が感情に支配されることもないし、感情は個人の目的のために作り出すものだと考えるのです。

ここから先は

552字

向後千春が毎日読んだり、書いたり、考えたりしていることを共有しています。特に、教える技術、研究するこ…

学生割引プラン

¥150 / 月
初月無料

みんなのプラン

¥300 / 月
初月無料

ゼミプラン

¥600 / 月
初月無料

ご愛読ありがとうございます。もしお気に召しましたらマガジン「ちはるのファーストコンタクト」をご購読ください(月500円)。また、メンバーシップではマガジン購読に加え、掲示板に短い記事を投稿していますのでお得です(月300円)。記事は一週間は全文無料公開しています。