![4-お勧めの本19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12434810/rectangle_large_type_2_e4ce155bfd7b1f45e2517e48c844cf11.jpeg?width=1200)
【本】ジェリー・Z・ミュラー『測りすぎ』:測定基準を設け評価することによる弊害と教訓
木曜日はお勧めの本を紹介しています。
今回は、ジェリー・Z・ミュラー『測りすぎ』(みすず書房, 2019)を取り上げます。
■要約
「測定基準への執着=測定執着」は、(1) 個人的経験と才能を測定基準によって数値に置き換えることが可能であり望ましいとする信念、(2) その測定基準を公開することで組織が説明責任を果たしているという信念、(3) 組織に属する人々への動機づけは測定実績に報酬や懲罰を紐づけることであり、報酬は金銭(能力給)または評判(ランキング)であるという信念、からなっている。
しかし、測定基準を設けることは善意であっても次のような欠陥がある。
(1) 一番簡単に測定できるものしか測定しない
(2) 成果ではなくインプットを測定する
(3) 標準化によって情報の質を落とす
(4) 上澄みすくいによる改竄
(5) 基準を下げることで数字を改善する
(6) データを抜いたり、ゆがめたりして数字を改善する
(7) 不正行為
この本は、測定執着の問題を、次のような領域を横断して取り上げている。大学、学校、医療、警察、軍、ビジネスと金融、慈善自供と対外援助。
ここから先は
700字
この記事のみ
¥
100
ご愛読ありがとうございます。もしお気に召しましたらマガジン「ちはるのファーストコンタクト」をご購読ください(月500円)。また、メンバーシップではマガジン購読に加え、掲示板に短い記事を投稿していますのでお得です(月300円)。記事は一週間は全文無料公開しています。