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【アドラー教科書】(3) 教科書とコースの構成を考える
2024年4月30日(火)
火曜日は『アドラー心理学の教科書』の記事を連載しています。
前回は、「アドラー自身の著作から理論の全体を探る」と題して、アドラーの代表作と言える『生きるために大切なこと』(The Science of Living, 1928, 桜田直美訳, 2016, 方丈社)の構成を見てみました。
そこに登場する重要な概念を次のようにまとめました。
アドラー心理学のキー概念
劣等感
その変形としての劣等コンプレックス
その変形としての優等コンプレックス
ライフスタイル
その類型
それを知るための幼少期の記憶
それを知るための態度と体の動き
それを知るための夢
共同体感覚
その土台となる私的感覚
その土台となる共通感覚
人生への応用
人生の課題(ライフタスク)
教育を受けること
仕事
恋愛と結婚
交友
育児の問題
教育の問題
そして、次のようにまとめました。
アドラー心理学の中心はライフスタイル理論にあることがわかります。ライフスタイルはその人がどう生きているかを表した「動線」です。個人が社会の中で生きるとはどういうことなのかを明らかにしようとしたアドラー心理学はライフスタイルの理論を中心に構築されているのです。
ここからアドラー心理学の教科書の構成を考えてみます。大学で教えることを念頭において、最近の大学では14週でひとつのコースを作るようになっていますので、14のユニットを考えてみました。
(1) 導入:アドラー心理学の全体像と位置づけ
第1部:ライフスタイル
(2) 所属と劣等感からライフスタイルの獲得
(3) ライフスタイルの類型
(4) 早期回想によるライフスタイルの推量
第2部:感情
(5) 感情の役割
(6) 私的感覚、共通感覚、仮想目標
(7) 言語と感情の関係
第3部:ライフタスク
(8) ライフタスクとは
(9) 仕事、交友、愛のタスク
(10) 自己、世界のタスク
第4部:応用
(11) 教育と育児における応用
(12) 職場における応用
(13) カウンセリングとコーチングにおける応用
(14) まとめと展望:アドラー心理学の使用と価値
この内容を易しくすることによって小学生にも教えることができるでしょう。この場合「第4部:応用」の内容は小学生向けに変えることが必要です。たとえば、「他者と上手につきあう」「自分を知る」「何かを始める」などのように。
このように、人生の早い時期にアドラー心理学の考え方に触れておくことで、よりよい効果が期待できるでしょう。
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