【本】マーク・マンソン『その「決断」がすべてを解決する』:感情からスタートして自分の価値観を理解する
木曜日はお勧めの本を紹介しています。
今回は、前回取り上げたマーク・マンソン『その「決断」がすべてを解決する』(三笠書房, 2018)をもう一度取り上げます。
この本には図版がほとんどありません。すべて文章で書かれている中で、唯一の図版がこれです。「自己認識のたまねぎ」。これはとても有用な考え方でもありますし、同時にアドラー心理学に通じるところがあります。
私たちはその瞬間にいろいろな感情がわいてきます。「幸せ」「ウキウキ」から「悲しい」「なんかイライラする」「不機嫌」「怒り爆発」まで、そのときどきにさまざまな感情がわいてきます。しかし、その感情について深く理解しようとまではしません。ただ、「こう言われたからムカついた」とか「だいたいあいつは私とは合わないんだ」というように、そのときの状況が特定の感情をひきおこしたのだとしか考えません。
これを一段深く考えてみます。「問いかけの層」に入るのです。「なぜ自分はムッとしているのか」「なぜ自分はイライラしているのか」「なぜ自分は怒っているのか」ということを自分に問いかけてみます。そうすると少し涙が出てくるでしょう(たまねぎなので)。自分が期待していたことがまったく起こらなかったからなのか。自分が未熟であることは思い知らされたからなのか。自分がやりたかったことを誰かが先にやってしまったからなのか。そうしたことがわかってきます。
そうしたらさらに深くたまねぎをむきましょう(そうすると涙がもっとあふれてきます)。それは「価値観の層」です。たいていの人はここまで掘り下げることはありません。しかし、価値観こそがあなたが感情をきっかけにして自分自身を知るために必要なものです。それは「自分が成功した(あるいは失敗した)ということは何によって測っているのか」「その基準はなんなのか」「自分は何を目指して生きているのか」ということです。
ここまでいけば、あなたが涙を流しながらたまねぎをむく価値があります。なぜなら、自分の価値観を知ることこそが、あなた自身を理解することにほかならないから。これがわかればあなたがどんなときに落ち込むのか、どんなときに幸せを感じるのか、すべてがわかります。そして迷うことなく自分がもっとも価値を置いていることに向けて進んでいくことができるのです。
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