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【本】アルフレッド・アドラー『生きる意味』:アドラーの原著の読みやすい新訳
木曜日はお勧めの本を紹介しています。
今回は、アルフレッド・アドラー『生きる意味』(興陽館, 2018)を取り上げます。
■要約
「個人を正しく考察するときには、必ず3つの要素をなんらかの形で考慮し、劣等感、克服を目指す努力、共同体感覚がどんな状態なのか突き止める必要があります」
■ポイント
アドラー自身が書いたアドラー心理学の本は岸見一郎さんの長い努力によってかなり翻訳出版されています。しかし正直なところかなり読みにくいので、たくさんの解説本が出されることになりました。私自身も何冊か出版しており、広く読まれています。
それでもアドラー自身の言葉でアドラー心理学を語っているのを読むのは意味があります。そうしたところに『生きる意味 (Der Sinn des Lebens)』の新訳が出版されました。同じ内容のものは、すでに岸見一郎訳『生きる意味を求めて』(アルテ, 2007)として出版されています。比較して読むと格段にこの本の方が読みやすいことがわかるでしょう。日本語として読みやすいと同時にアドラーが伝えたかったことがダイレクトに伝わってくる感じがします。ああ、そういうことだったのか、と。
この本の中では、アドラー心理学の中心的なアイデアである、劣等感、克服する努力、共同体感覚、ライフスタイル、人生の課題といったことがわかりやすい言葉で語られています。
アドラー自身の本としては、同じようにわかりやすい言葉で訳された桜田直美訳『生きるために大切なこと (The Science of Living) 』もお勧めです。
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